【ー天災ー】43
今までこんな事がなかった二人には未だに何が起きているのかが分かってないようだ。
だがそうアナウンスがあったのだから急いでロビーの方へと向かっていく。
その途中、望はフッと気になった事があったのか病院の廊下にあるカーテンを開けてみる。
するとそこには今まで建っていた街並みの風景はなく木造家屋は倒れ鉄筋で出来ているマンションにはヒビが入り、しかも一階部分が今にも潰れそうになっていた。 そして階下の建物からは白煙等も上がり始めてきている。 そうだそこには今までにはない世界がそこには広がっていたのだ。
今の大きな地震で外の世界では大変な事が起きているのであろう。
望は和也とそれを見ると視線を合わせ何も言わずにロビーへと急ぐ。
二人はコンビだ。 今のこの状況が分かったからこそ望のアイコンタクトで和也は望が何が言いたいのかが分かったのであろう。 二人は同時に下へと向かっていた。
地震が起きてから病院の方は何も被害はなかったのかもしれないのだが、外の方は大変な被害になっているのが今だ。
そしてロビーへと向かうと人々で溢れて返っていた。
既にこの状態なのに望がロビーに入ってからも次から次へと患者さんが運ばれて来ている。 だがそこで気になったのが救急車ではなく担架やストレッチャーいや即席で作った担架で運ばれて来ている患者さんもいた。
そう望が働いている病院は緊急病院でもあるのだから救急車で来てもいいと思うのだが、何故か救急車の音は聞こえて来る気配すらなかった。
さっき確かに病院の廊下から外の景色は見ている。 だけど、それだけでは外の本当の状況は把握出来ない。 きっと病院の外はもの凄い状況になっているのかもしれないのだが、今はそれどころではない。
次から次へと運ばれてくる患者さんに対応していくのが手一杯の状況。 そして医者の手も足りない位の状況にもなってきている。
もう本当にこれ以上は病院でも患者さんを受け入れられない状況にもなってきていた。
きっと外では道とかが電柱や電線で寸断されていて車も通れない状況なのであろう。 そう患者さんを運んで来るのは今の地震で被害を免れた一般の人々だからだ。 救急隊員ではない人々だった。 スーツを着た人達や学生服を着ている学生が人々を連れて来ている。 こういう時というのは皆んながみんな力を合わせてくれるもんだ。
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