【ー天災ー】27
まったくもって今日は完全に会話のタイミングを逃してしまっている。
雄介は食事をしながらも無意識のうちのため息を漏らしてしまっていた。
久し振りに望と会う事が出来たのに、久しぶりに望と食事が出来る事が出来たのに雄介が隠し事をしてしまっているせいで望の方も口を開こうとはしない。
黙々と食事をしている望にこう話しかけ辛いような雰囲気を出しているのは気のせいだろうか。
雄介は話好きでこの沈黙というのは耐えられない性格だ。
そう思うと雄介は再びため息を漏らす。
「……ってか、なんなんだよ! さっきからさぁ、ため息ばっか漏らしやがって……俺とそんなに居るのが嫌なのか?」
確かにため息なんか吐かれたら嫌な気分になるに決まっている。
そして望は険しい表情で雄介の事を見上げる。
「そ、そんな事ないし……」
「じゃあ、なんでさっきからため息ばっか吐いてるんだよ。 それにせっかく食事に来たっていうのに楽しくなさそうだしな」
その望の言葉にもう一度ため息を漏らしてしまう。
きっともうこの空気に雄介が耐えられなくなったのであろう。
雄介はそう思うと持っていたフォークとナイフを置き今度は意を決したように望の事を見つめる雄介。
「あんなぁ、望……」
だが、いざとなると、その言葉の続きが出てこない雄介。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます