【ー記憶ー】110
しかも自分から志願したようなもんなのだから弱音なんか吐いてはいられない。
しかし、もうどれだけ研修を重ねてきたのであろうか。
もう雄介の体は精神的にも体力的にも限界がきているようだ。
今日一日の研修を終えて体を休ませる事が出来るのは寝る時だけだ。
雄介は一日の研修で疲れた体を休める為にベッドの上に横になって瞳を閉じたと同時に携帯が震え出す。
雄介はメールだと思い無視していたのだが、それは未だに振動していた。
雄介は仕方なしに半身を起こすと、携帯へと視線を移す。
そこに表示されていたのは『和也』の文字だ。
その名前に溜め息を吐きながらも雄介は仕方無しに電話へと出る。
しかし、いつもはメールなのに何で今日に限って電話なのであろうか。
そこに首を傾げながらも通話ボタンを押す。
『よっ! 元気にしてっか?』
「ああ、まぁな。 研修の方はめっちゃ辛いけどな」
『やっぱ、大変なんだな』
「ああ、まぁな。 とりあえずさ、また、明日もあるし、電話切ってもええか?」
雄介はもう限界の限界なのであろう。 声までも掠れてしまっているのだから。
『え? 本当にこの電話を切ってもいいんだな?』
そう和也の口からは意味ありげに言ってくる。
『本当にこの電話を切ってもいいんだよな?』
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