【ー記憶ー】38

 雄介は車から降りるといつものように伸びをする。


「ああ、そうだな」


 そう答えてみるものの今の出来事は未だに心に残っているのか望は未だに顔を赤くしたまま車を降りていくのだ。


 そしてスーパーへと入ると急に雄介の目は輝きだし、


「おっ! 今日は玉ねぎが安いやんか、ほな、今日は玉ねぎを使った料理に決まりやなっ!」


 雄介はそういうお得な品物を見つけると籠の中へと入れていた。 しかも、そのいくつもの商品がある中でいい物を選んでいるのか完全に品定めまでしていた。 そこは流石、自分で料理しているだけはあるのかもしれない。


「ま、とりあえず玉ねぎは安かったんやけど、二人分やし、ニ個位でええかな?」

「え? あ、ああ、うん……そうだな」


 そう雄介は望に話を振ったのだが料理の事に関してはサッパリな望はとりあえず相槌だけを打っているようだ。


 その間にも雄介は次から次へと籠へと品物を入れているようなのだが、どうやら雄介の頭の中には買いたい物はあるようで適当にという訳ではないようだ。 その今日使うであろう食材が籠の中へと入れているのだから。

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