第8話 少しだけ変わった(?)日常③


 作者です!

 コンテストに応募してから、一気にフォロー数が8人も増えました❗️コンテストの力ってすごいですね🎵

 また、一日のPV数が自己最多の214(12月10日午後10時現在)でした🎵

より多くの人に自分の作品を見てもらっているということがわかって嬉しいです!

 さて、本編へ、どうぞ! 


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「ありがとうございました~」


カラン


 俺は、バイト先のカフェで主に接客業をしていた。

 今日も普段と変わらない………はずだったのだが、


「え~と、ラテのホットの方を一つお願いします」


春川がいる。俺はというと、


「かしこまりました、ラテのホットを一つ、ですね。少々お待ちください」


何も知らない振りをして、普段通り客の注文を聞き取り、優雅に礼をしてその場を去る。


「おい、彼女来たんだから、もう少し堅苦しい雰囲気は取っ払えよ」


「彼女も何も、今はシフト中だろ。俺はそれに徹するだけだ」


「お堅いこって」


「二人とも、俺シフト終わったから、他のヤツ来るまで頼んだぞ~」


俺たちの他にもう一人いた先輩の従業員も、シフトの時間が来たようだ。後三十分で正社員の人が来る。それまで、俺たち二人でしろ、ということらしい。


「わかりました」


「うぃ~す」


 因みに、遥輝はコーヒーを淹れることが出来ないので、俺が抽出を全てやっている。遥輝は基本、レジである。

 俺はペーパーフィルターを使った方法でしか出来ないが、かなりうまくなったと思う。


「お待たせしました、注文を頂いたラテのホットでございます」


「あ、ありがとうございます」


 春川はカップを取り、フゥフゥと少し熱を冷ましてから飲み始めていた。

と、


「あ、美味しい……」


口の端に指先を添え、そう言った。何度きいても、自分の努力が認められた瞬間は嬉しいものである。もう一度、春川の顔を見ると、


「エッ……」


泣いていた。それも、自分が泣いていることに気づいてないような、そんな、泣き方をしていた。


「あれ、何でだろ……?」


本人も、何故泣いたのかをよくわかっていない様子だ。


「拓人く~ん?」


「遥輝、少し黙ってくれ」


少しは空気を読め。遥輝の場合、わざとしている時もあるから、尚、たちが悪い。


「どうしたんだ、春川?」


「いや、本当に何でもないから、ね」


「そういうわけにもいかない」


「……何で?仕事中でしょ?」


 それはまぁ…な


「気にするな、ただの気まぐれだ。それより、どうかしたのか」


「……だから何でもないってば」


「泣いた理由に、心当たりも無いのか?」


「それは……」


「ありそうな口ぶりだな」


 そう促すと、春川は少しだが、話した。


「私の…お母さんの淹れてくれるコーヒーの味にそっくりだったから……かな…?」


「そうなのか?」


「うん……多分、そう。お母さん、昔カフェで働いてたらしくて。私もよくお母さんの美味しいコーヒーを飲んでたの。お母さんのも、貴方のも、どっちもなんか、心が温まるっていうか、そんな感じの味だった」


「それは素直にありがとうと言っておこう。だが、俺の──いや、何でもない」


 俺の淹れているコーヒーがそういうものであるはずがない、そう言おうとした。


「?」


 それを言えば、春川に申し訳ない気がしたからだ。


「父親とはど──」


「あの男の話はしないで」


「すまん」


「あっと……そろそろお母さんも帰ってくるし、帰るよ」


「泣き跡は消していった方がいいぞ。母親に心配かけるから。くれぐれも、心配を母親にかけるなよ」


「………うん」


「気を付けろよ」


 そう言って帰っていった。

 ………

 ……………

 いつの間にか、遥輝も帰ってるし。

 次のシフトの人、来ないし。

 道具とかレジとか全部、そのままだし。


 結局、遥輝は戻ってこず、次のシフトの人は来なかった。後で、ちょっと問いただすか。

 話をしている時、春川はとても落ち着いていたが、母親の話をしている時は嬉しそうだった。俺に母親のことを話ことが、というわけではなく、母親との思い出で嬉しくなったのだろう。

 父親という単語をきいた瞬間、表情が冷たくなったが。何かトラウマ的なものが父親との間であったのか。いつか彼女から話してくれるだろうか。

 それと、話は変わるが、俺は春川に信用されていない。本人は気づいていないが、男子と話しているとき、瞳に宿る感情が拒絶に似た感情を宿している。

 俺は、人一倍そう言う感情には敏感だ。






「………思ったより、いい人だったな」


 そう思った。口調は相変わらず、無愛想だったけれど。表情はそれとは裏腹に、とても穏やかだった。私の父親だった男とは違う、と思った。

 私も、世界中の男性の全員が全員、性欲にまみれているとは言わない。誠実な人もいることも信じている。しかし、それでも男性を許せない。

 彼は最後、別れるときに、


『気を付けろよ』


と、出入り口まできて、見送ってくれた。私の中で、彼に対する評価が少し上がった。


─彼は、少し違うのかもしれない─


少しだけ、今はまだ偽りともいえる関係だけの“彼氏”の彼に期待した。

 けど、まだ“それだけ”だ。信じ、接することが出来る理由には足りない。

 少し、自分の偏見を反省し、その上で彼がどういう人間かを見極める機会として、次の日曜のデートを利用する。


……

…………

 あれ…私って、女子の友達とは遊んだことはあるけど、男子とそれも“彼氏”とデートする用の服なんて分からない……





……

…………

 俺、女子とそれも“彼女”とデートなんてする事はないと思ってたから、当たり前だがろくな服を持っていない。

黒か白くらいしかない。美久と明日ショッピングに行くか。





…………

……………………


「「デートの時の服、どうしよう……」」


(まあ、俺は美久に選んでもらうから、杞憂というヤツだな)



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 作者です!

 ついに次はデート回ですね🎵

 考えたり、ファッションとかデートプランとかを考えたり調べたりするのが大変ですが。

 面白いな、と感じた人は、ぜひフォロー、レビュー、応援コメントをよろしくお願いします🎵

 ではまた❗️

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