第4話 移転先
ジャネットのすべすべの手を握っているだけなのに、俺の鼓動はもう限界ギリギリだった。
「ハア、ハア……」
美少女耐性ゼロの俺には、これはもう拷問に近い。
「マイコー、大丈夫?苦しいの?」
ジャネットが俺の手を、あろうことか自分の胸元にそっとあてて、上目遣いで見つめてきた。
ヤバい。マジで理性が死ぬ。これは事故。いや事件。下手したら異世界犯罪。
(い、言えねぇ……ジャネットの手がすべすべで、理性が飛びそうだなんて……!)
「だ、大丈夫!ちょっとびっくりしただけだよ!ははっ!」
ごまかす俺。まるで自爆スイッチを押す寸前の男のような顔してる自信はある。
と、そんな状態のまま、俺たちは神殿のような立派な建物の前に到着した。
中からは神々しい光が漏れてる。絶対すごい存在がいるやつだ。
おそるおそる中へ入ると、中央に立っていたのは——
超絶美人。威厳に満ちた、美しすぎて目が焼けそうな女神様っぽい人。
「そなたがマイコーですか。わたくしの使い魔ジャンから聞いております。」
(ジャン?あの猫ってジャンって名前だったのか……知らんかったわ)
「あのー、もしかして……女神様?」
「はい、人はわたくしを豊穣の女神と呼びます。名をミロと申します。」
おお、女神様きたー、神々しさ満点。敬語なのに上からじゃないのが逆に怖い。
「女神様、この世界に来たのって、魔法の実験って聞いてたんですが……成功なんですよね?」
「ええ。マイコーがここにいることが成功の証です。」
「そ、それはよかった……でも、なんでそんなことまで?」
「実はこの世界には、邪悪な魔物を従える存在——魔王がいるのです。」
でたよ、魔王。異世界お約束のラスボス。
「魔王軍は今、先代勇者との戦いで力を失っています。しかし再び力を蓄え、この大陸ヒュージを滅ぼそうとしています。」
「マイコー、あなたにはその魔王軍を殲滅してほしいのです。」
「…………聞いてないんですが!?」
「心配しなくて大丈夫です。あなたには魔法の才能があります。少し訓練すれば、すぐに強くなれます。」
なんだよそれ、やっぱウマい話には裏があるってか。
「先代勇者が命をかけて止めた魔王軍……それを俺が!?」
正直、荷が重すぎる。無理ゲー感がすごい。でも女神様の目は真剣だった。
「あなたが成功すれば、ジャネットに本当の命を与えましょう。今は仮初の命に過ぎません。」
な、なんだと……
その言葉に、俺は覚悟を決めた。
「わかりました。やります。……それで、最初は何をすれば?」
「これからはジャンが案内します。時間がありません、マイコー。力をつけ、仲間を集い、魔王軍と戦ってください。」
女神ミロが光に包まれ、スッと姿を消す。次の瞬間、俺たちは何もない平原に立っていた。
神殿は……消えてた。あれ幻だったのか?
「マイコー、町に向かうにゃ。」
聞き覚えのある声に振り向くと、そこには……ケモミミのお姉さん!? 美人でスタイル抜群の獣耳美女が立ってた。なんでスタイル抜群ってわかるかって?いわゆるビキニアーマー?いやビキニだろ。を着てるのだ。
「なにポケーっとしてるにゃ、あちしにゃ。ジャンにゃ。」
「ええええ!? その姿なの!?」
「これが本当の姿にゃ。向こうの世界では猫ににゃるにゃ。」
「け、けもみみってことは獣人!?」
「そうにゃ。獣人族は身体能力がすっごいにゃ。」
これはテンション上がる。ケモミミもふもふは男の夢だ。
「な、なあジャン。ちょっとそのケモミミか尻尾をモフモフさせてくれんか。」
「な、なに言ってるにゃ。モフモフ出来るのは心を許した相手だけにゃ。」
うーん残念。でもいつかモフモフしてやる……
こうして俺とジャネット、そして美人ケモミミ案内人ジャンの旅が、ようやく始まった。
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