第10話 エルフちゃんと幼馴染
またエルフのララちゃんと二人で手をつないで学校へ行く。
おっぱいは今日も大いにあばれて俺にぐにゅぐにゅと押し付けれれていた。
周りの人たちはそれをうらやましそうに、珍しそうに見てくる。
その視線は少し鬱陶しいが、ちょっとした優越感もあった。
学校に着いて普通に授業を受ける。
そのまま昼休みになった。
俺の前にはジト目で手を腰にやってる『幼馴染』の
げ、別に忘れていたわけではないが、エルフちゃんにつきっきりだったので昨日から相手にしていなかった。
「ちょっと景都、私のことは忘れちゃった?」
「いや覚えてはいるけど」
「ララちゃん来たばっかりだからお世話するのは分かるけど……それなら私にも手伝わせてよ」
「まぁそれもそうだな」
確かに俺だけがララちゃんの世話をする必要はない。
ハルカだってクラスメートなんだから一緒でも別に構わなかった。
よく考えたら昨日ハルカを誘わなかったのはちょっとした失態だった。
いつもだいたいハルカや友達とも一緒にご飯を食べていたから。
「ということだ。ララちゃん、こいつは遠国春香で俺の幼馴染」
「おぉぉ、幼馴染、いいですねぇ、憧れちゃいます」
「そうか?」
「はいっ。エルフの里ではほとんどの人が一番身近な幼馴染と結婚するです」
それにはハルカも目を大きく開けて顔を真っ赤にした。
「えっ、けけけけ結婚っ……私と景都がっ」
「大丈夫かハルカ、エルフの里の話だぞ」
「あぁ、う、うん。ここは日本だったわ」
ちょっと頭の中がこんがらがっているようだが俺たちは別にエルフではない。
「まあとにかく学食行くぞ」
「はいっ」
「うん」
三人で並んで学食に向かう。
今日は何を食べようかな。そうだな、うーん。
俺はあれだな「唐揚げ定食」。ここの定番メニューだ。
ハルカは巨乳の濃い茶色髪でセミロングのふわふわヘアーだ。
ララちゃんもハルカも背丈は百五十くらいか。
ちなみに妹は貧乳で黒髪ストレートロング。
妹はハルカよりもさらに少し小さい。今中学三年生で来年俺の後輩になるべく入院しているというのに勉強をあきらめてはいない。大変健気で頑張り屋なのだ。
だから俺は妹を応援している。
左右にララちゃんとハルカを並べているけれどどちらもおっぱいが大きい。
比べてみるとララちゃんのほうが大きい。
ハルカはあそこまでばるんばるんしないしな。
してたら俺だって今頃巨乳に慣れているはずだ。
別にハルカとは付き合ってはいない。
ハルカと俺、両者とも相手のことをある程度好きなのは事実だろう。
ただ周囲の目やなんやかんやとあって告白したりと関係が前進するようなイベントがなかった。
なぁなぁで済ませてきたともいう。
今となってはララちゃんも家族としてぐいぐい迫ってきている。
ララちゃんと結婚するのかそれともハルカを選ぶのか……まあまだ俺たちは十五歳高校一年生だし、とりあえず棚上げしておこう。
ララちゃんはそもそも俺と結婚したいのだろうか。そういう意味ではハルカだってよく分からない。
俺の勝手な思い込みで、本人はただの家族、ただの幼馴染として好きだという認識の可能性もあるのだった。
「並ぶのです」
「ララちゃんは順応も早くてえらいね」
「えへへ」
テレテレしている顔もかわいい。
ララちゃんは天然なんだよな。
ララちゃんはまだまだ少女って感じがする。それが穢れていない感じがすごく好みだったりする。
一方のハルカは少しクールというか、すべてを見透かしている目というか。
なんだかちょっと大人っぽい。
謎の人生二週目みたいな雰囲気がある。どっしり構えているので安定感はある。
信頼のおける人材だ。
妹のこともよく助けてもらっているので頭が上がらない。
どうしても男には相談しにくいことや難しいこともあるだろう。
そういう時はハルカの出番だった。
「今日は俺、唐揚げ定食」
「じゃあ私も唐揚げ定食にしますぅ」
「私も同じのにしようかな」
結局みんな唐揚げにした。
券売機には並ぶんだけど、その後は料理の種類によっていくつかに分かれている。
ラーメン、そば、うどんの麺の列。
カレー、ハヤシライスとかの列。
ハンバーグの列。
それから唐揚げなどの定食の列という感じに。
「お、金髪のお嬢さん、今日も来たのかい? うれしいねぇ」
「あはは、ありがとうございます」
「オマケとかしてあげられないけどごめんね」
特定の人だけ唐揚げ一個オマケとかはできない決まりだ。
三人で唐揚げ定食を受け取って、席に着いた。
「「「いただきます」」」
みんなで手を合わせて挨拶を済ます。
まずは味噌汁を一口飲み、唐揚げから。
「うまいっ」
「どれどれ、今日も美味しい」
「これが唐揚げ。美味しいですっ」
唐揚げのジューシーな肉で旨味が染み出てくる。
塩コショウ、醤油、ショウガ、ニンニクなどで味付けがしてあって抜群に美味い。
唐揚げを食べたら次は白米だ。
米が美味い。甘味があるお米の味は最高だ。
こうやって交互に食べると日本人でよかったと思う。
いや別に日本人でなくてもエルフでもここにいてよかったというべきか。
唐揚げ、白米のご飯、味噌汁。最高の組み合わせだ。
「どれも美味しいですねぇ」
ララちゃんにも大変好評をいただいた。
別に自分が作ったわけでもないのに、なんだか学校の学食が褒められて鼻が高い。
ララちゃんという異世界のエルフさんにも認められた味というかなんというか。
ララちゃんとハルカも雑談したりしてすでに打ち解けていた。
こういう時の女の子同士は敵か味方かすぐに直感で分かるのだろう。
どうやら味方判定を得たようだった。
二人が仲良くしてくれてよかった。
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