解呪の魔法ディスペルしか使えないからと追放された俺は、呪いをかけられていた美少女ドラゴンを拾う 〜追放されたダンジョンの最深部で守護龍と契約して最強になります!〜
早見羽流
第1話 追放されました
「ロイ・クノール。お前は追放だ」
金髪の長身男が俺を指差しながら
「……は?」
「聞こえなかったのか? お前は追放だと言っている」
追放って……俺はついこの前冒険者になってこのSランクパーティーに入ったばかりだろ!
「ちょっと待て! せめて理由を聞かせてくれないか?」
俺の必死の問いかけに、金髪の男は無表情で応じた。周りのパーティーメンバーも皆
「わからねぇなら教えてやろうか。お前が使える『
「なんだと! ちゃんと言われたとおり解呪したじゃないか!」
「雑魚のお前に分け与える
俺は果てしなく続く暗い
「クソッ!
「騙したもなにも、初心者の役立たずにオレたちSランクパーティーが声かけた時点で怪しまないお前が悪いだろ。バーカ!
金髪男が蹴りを放ってきた。突然のことに反応が遅れた俺は、男の蹴りをまともに腹に受けてしまい、そのオーガのような怪力で吹き飛ばされた。
「ぐはっ!」
そして、最悪なことに俺が吹き飛んだ先は崖になっており、
どのくらい落ちただろうか、俺はすぐに意識を取り戻した。身体中が痛い。骨折まではしていないようだったが、落下の際に打ち付けた場所がズキズキする。あれだけ落ちてこの怪我ならむしろかなり運がいいと思う。
「うぅ……」
痛みに耐えつつ、なんとか上体を起こそうとすると、そこは大きな広間のような場所であり、目の前に巨大な物体があることに気づいた。
よく見ると壁が、広間全体がぼんやりと光っている。
目が慣れてきて目の前の物体の正体に気づいた俺は
「……っ! う、ウソだろ」
俺は絶望的な気分になった。
そこにいたのは巨大ドラゴンだった。その大きさは優に10メートルを超えており、
歴史書で読んだことがある。
その昔、
目の前のドラゴンはまさに邪龍というに
俺の存在に気づいたらしい邪龍が、首をもたげる。まずい! でも驚きのあまり腰を抜かしてしまった俺は、ジリジリと後ずさりしかできなかった。
「グルルル……」
邪龍の喉から低く不気味な音が発せられる。
「グガァアアッ!!」
次の瞬間、俺は信じられないものを見た。俺に襲いかかろうとした邪龍の身体に、手足を
すぐに起き上がった邪龍は何とかして鎖の拘束を振りほどこうとするが、その度に鎖から魔力が流れ邪龍の身体を痛めつけていく。よく見るとその身体は
俺は
封印を解いたら、俺は邪龍に食われるかもしれない。でも、このまま洞窟から抜け出せる可能性も低い。だったら、目の前で死にかけているこいつを助ける方がまだマシな気がしてきた。幸い、俺にはこいつの封印を解く『
「よし、今助けるから食わないでくれよ……」
覚悟を決めた俺は、恐る恐る邪龍に近づき、手をかざした。
「──『
俺がディスペルを使った瞬間、邪龍の巨体が光に包まれた。
「うわっ
反射的に両手で目を
それにしても……
「……?」
俺は自分の目を疑った。
なんでだ? 俺が使った魔法は『
確かに『
だとしたら考えられることはただ一つ。この姿が『邪龍』の真の姿だということだ。
「……」
言葉を失ったまま立ち尽くす俺を、真の姿を解放した邪龍がじっと見つめてくる。それはまるで、初めて見るものを警戒しているかのようだった。
「おい、大丈夫か?」
とりあえず話しかけてみる。邪龍は反応しない。でも、とりあえず襲ってくる気配はなかった。
突然、邪龍の身体が輝いて、そこには純白の衣装に身を包んだ銀髪の少女が立っていた。背丈は男としては人並みの俺よりもだいぶ小さめだが、腰くらいの長さに伸ばした銀髪はぼんやりと光を放っており、常人離れしたオーラを感じる。そして、彼女のまとっている雰囲気のなせる技か、少女はかなりの美形に見えた。美しいというよりは可愛らしいタイプの美少女だ。
いったい何が起きているんだ!? 俺はさっきから驚きっぱなしだぞ。
「ごほん、あー、あー……。人間の言葉はこれで合ってましたっけ?」
少女は俺に向かってそう言った。
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