第4章 七体の滅びの獣 一体目
第21話 グロリーアの調査の抜粋(七体の獣と文明)
昔々。神々がいると言われていた時代のことだ。
今以上に高度な文明があったという記述があるほど栄えていた。
始まりがあれば、終わりがある。どれだけ栄えていたとしても、終わりがやって来る。
神々との通信が始まりであると言うのならば。
終わりは何なのだろうか。自滅か。争いか。空と地と海の大災害か。
その中で最も有力な一つの説がある。禁忌に触れてしまったとある黒魔法使いが生み出した物だったというものだ。
よく見かける生き物を模しているが、体が大きく、本質が明らかに違うものだった。
そういった記述が見られた。違う特徴もあったため、黒魔法使いが編み出した獣の数は七体である可能性が高いだろう。ただし、書物を探ると謎の八体目の存在も記されていたため、ここで示しておく。
ひとつ。陸の王。鋭い牙で人をかみ砕き。炎で燃やす。
ふたつ。海に生き。嵐を生み出し。水流で破壊する。
みっつ。正反対の性質を持ち。怒り狂う。血まみれにする。
よっつ。毛皮が鋼のように固く。鋭い爪で切り裂き。残虐なことを行う。
いつつ。いと美しき。惑わし。自滅させる。
むっつ。ただひたすら真っすぐ。当たって砕けて。破壊する。
ななつ。毒を持ち。魅了させ。死に至る。
やっつ。
奴らは人々を食べ、眠りについてしまった。それは文明の破壊も意味していたと言われている。また有力な魔術師の血筋が全滅しており、魔法技術が失われていたことも事実だ。現代、我々の技術より古代の方が優れている理由もそこから来ている。
これらは書物を読んで分かったことだ。情報や考察が正しいとも限らず、まだ謎が多い。
何故休眠状態の時に実体を持たないのか。核となる黒い石と何か密接な関係があるのだろうか。
何故獣に関するグリモワールに人々が犯すかもしれない欲望が書かれていたのだろうか。
何故八体目の記載があったのだろうか。正体は何か。
未だに判断材料が足りない。もう少し調査をしておく必要があるだろう。
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