防寒装備
翌日、
「お宝、発見したらしいな…」
「これでお前も一人前だな…」
と遥座が続いた。さらに、
「私もお宝拝ませてもらうよ…」
開螺が呟くように言う。この世界の住人達、特に
そこに重蔵が現れ、指揮を執る。
「では、行くぞ…」
「はい」と短く答え、四人は先を歩き始めた重蔵の後に続いた。
いや、『宇宙服のような』ではなく、実は本当に<宇宙服>なのだ。
それは、開螺自身が見付けた発掘品だった。もう既に十年以上前になるが中までびっしり氷で埋め尽くされた部屋を掘り当て、そこで発見された宇宙服を彼女は防寒装備代わりに使っているのである。温度というものが殆どない宇宙空間でも活動できるそれであれば、氷点下五十度程度の寒さなどどうということもなかった。
ただし、本来のそれとは大きくかけ離れた使い方をしている上に破損した部分を補修用テープで塞いでいるだけという風にロクなメンテナンスも受けていない為、既に気密性は無いに等しく、宇宙服としてはまったく役には立たないが。また、左上腕部には、かすれて読み辛いが、辛うじて<しおかぜ>と書かれているのが分かる。おそらくは備えられていた宇宙船の船名だろう。
なお、備えられているはずの各種生命維持装置や通信装置もすべて故障しているようだ。
それでも、他の
だから今回も、開螺の力が一番の頼みになる。
しかし、圭児と遥座も優れた
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