735日目:これは関わるだけ無駄な気がします!

 八七代魔帝暦まていれき二四年・金牛きんぎゅうの月第四日・属性(光)・天気:晴れ


「聞いてよ、アーシェ先輩にティコ先輩! うちの彼氏が――」


 午後、第一図書館で『魔導司書まどうししょ見習みならい』の資格試験に向けた勉強をしていると、どこか不機嫌ふきげんそうな赤髪の女子生徒が対面たいめんの席に座るなり、そう言って話しかけてきます。


 えっと……たしか、ルベルさんでしたっけ? 属性魔術の実技実習じつぎじっしゅう指導しどうした後輩なので、顔と名前をおぼえてはいます。憶えてはいますが……。

 どうして、私たちはいきなり彼女から恋人の愚痴ぐち? を聞かされているんでしょう?

 

 困惑していると、机にし「うちもアーシェ先輩みたいな人といたかったぁー」なんてつぶやく、ルベルさん。

 さて、勉強の続きをしないと……。これはかかわるだけ無駄むだな気がします!

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