722日目:心配するのは当然です!

八七代魔帝暦まていれき二四年・銀羊ぎんようの月第二十二日・属性(全)・天気:晴れ


「え……? 姉さん?」


 馴染なじみのあるとびらを開けその部屋に入ると、ベッドの上で横になっていたカルド君が、私を見つめ、呆然ぼうぜんとした様子でそうつぶやきます。

 時刻じこくは夕方。魔導機関車まどうきかんしゃに約一日られつづけ、故郷こきょうであるフルド村の駅にいたその足でカルド君の実家をたずねたからか、随分ずいぶんと驚かせてしまったようです……。


 数分後、事情じじょうを説明し終えると、カルド君は深いため息をつき、「姉さんは馬鹿だな~」なんて言いながら、なぜか今にも泣きそうな表情で笑いかけてきます。

 むぅ……私はお姉ちゃんなんだから、心配するのは当然じゃないですか! 全く、こんな時でも生意気なまいきですよね、キミ。


 しかし、思ったよりも元気そうで安心しました♪

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