灰かぶりのティコ 365日の魔術学校300文字日記

681日目：怒るのはそのあとです！

　八七代魔帝暦（まていれき）二四年・双魚（そうぎょ）の月第十日・属性(炎)・天気：雨

　午後、仮説熱力学（かせつねつりきがく）の教室で自習をしていると、カルド君とハール君が深刻（しんこく）な表情で話しかけてきたんですが……え？　二人揃（そろ）って仮説熱力学の単位（たんい）を落とした？

　それで、救済措置（きゅうさいそち）としてピスト先生が出してくれた課題が難（むずか）しすぎるから、色々と教えてほしいってどういうことですか？

　私とアーシェが予想した出題範囲（しゅつだいはんい）は的中（てきちゅう）しましたし、そこを解答（かいとう）できたなら、他は全（すべ）て間違えたとしても、合格点に余裕（よゆう）で達（たっ）したはずですよね？

　落第（らくだい）する意味が分からず困惑（こんわく）していると、後期末試験（こうきまつしけん）の答案用紙（とうあんようし）を恐（おそ）る恐（おそ）るといった様子で差（さ）し出（だ）してくるカルド君たち……。

　これは……酷（ひど）いですね。しかたない、まず課題を手伝ってあげましょう。怒（おこ）るのはそのあとです！