591日目:やっぱりこの作戦はちょっと無理がありませんか?

 八十七代魔帝暦まていれき二三年・馬人ばじんの月十二日・属性(風)・天気:晴れ


 放課後、第一図書館で初級降霊術しょきゅうこうれいじゅつ個別課題こべつかだいんでいるんですが、今日もとなりの席には例の厄病神系やくびょうがみけい女子生徒じょしせいと、光属性学科一年生のタシアさんが平然へいぜんと座っています。

 そうして、彼女は私が課題に使う書籍しょせき資料しりょうをそれらが必要になるころわせて、本棚から探して持ってきてくれるですけど、いったいなにを考えているんでしょう?

 

 しかし、なんだか非常に不味まずい気がしますね。だって、このままだとタシアさんを一方的かつ露骨ろこつに無視している私のほうが悪役あくやくにされかねません……。

 実際、先程さきほどから図書館を利用する他の生徒たちがいぶかしげな視線を向けてきますし……。

 

 うぅ……やっぱりこの作戦はちょっと無理がありますよ、ネイト!

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