　八十七代魔帝暦（まていれき）二三年・星蠍（ほしさそり）の月三十日・属性(土)・天気：晴れ

　放課後、学生寮の来客室（らいきゃくしつ）を借（か）り、例の女子生徒と二人きりでお茶会をしてきました。

　ちなみに、彼女は予想通り光属性学科の一年生で、魔術師名（まじゅつしめい）はタシアというそうです。

　しかし、困りましたね。まさか、レイ王子と仲良くなるため、私に力を貸（か）してほしいだなんて……。なんか、色々と人選（じんせん）を間違えてませんか？

　タシアさん曰（いわ）く、彼女が王子と恋仲（こいなか）になれば、私も変に言（い）い寄（よ）られなくなり、平穏（へいおん）な生活を送れるという利点があるらしいんですが、いったいどこまで本気なのやら……。

　はぁ～、ネイトが対処（たいしょ）に苦慮（くりょ）するわけですね。

　恋は盲目（もうもく）とよく言いますけど、あの思考（しこう）は意味不明（いみふめい）すぎます。うん、やっぱりタシアさんは厄病神（やくびょうがみ）です。絶対に！

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