灰かぶりのティコ 365日の魔術学校300文字日記

571日目：光属性学科の下級生？

　八十七代魔帝暦（まていれき）二三年・星蠍（ほしさそり）の月二十三日・属性(土)・天気：雨

　午前中に古代魔術論（こだいまじゅつろん）、午後から初級降霊術（しょきゅうこうれいじゅつ）の授業を受け、放課後は昨日に引き続き中級薬草学の個別課題を進めるため、第三図書館へ籠（こ）もっているんですが……。

　なんでしょうね……今日は入館後（にゅうかんご）からずっと妙（みょう）な視線を見知（みし）らぬ女子生徒から向けられています。

　今も少し離れた席に座り、本を読む振（ふ）りをしながら、チラチラとこちらの様子を覗（うかが）ってくるんですけど、彼女はいったい？

　髪が淡（あわ）い金色なのと、胸元の学年章（がくねんしょう）を兼（か）ねた校章（こうしょう）が白色なことから察（さっ）するに、恐（おそ）らく光属性学科の一年生だとは思うんですが……う～ん？

　いや、ここは無視！　無視しましょう！　光属性学科の下級生とかきっと厄介事（やっかいごと）に決まっています！　今は課題に集中！　集中です！