518日目:な、なんて余計なことを!

 八十七代魔帝暦まていれき二三年・聖女せいじょの月第三十一日・属性(光)・天気:晴れ


 えぇ……今日も朝から草むしりをするため、アーシェにカルド君、そしてハール君と外に出たんですが、なぜかその草がどこにもえてません……なんで?

 う~ん……昨日まで元気にしげっていた雑草ざっそうたちは、どこへ消えてしまったんでしょう?

 

 あまりに不可解ふかかい現象げんしょうに四人で顔を見合みあわせ困惑こんわくしていると、そこへ「どうだ! 綺麗きれいになっただろう?」なんて自慢気じまんげ台詞せりふとともに笑顔のレイ王子があらわれます……。

 そのどこか称賛しょうさんしろと言わんばかりの様子にいやな予感がしつつも詳細しょうさいたずねると、人をやとって夜中のうちに終わらせてやったぞ、と力強くうなづく王子様……よ、余計よけいなことを!


 うぅ……これは絶対に寮監りょうかんから怒られる気がします!

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