506日目:今日も地下書庫へ避難です!

 八十七代魔帝暦まていれき二三年・聖女せいじょの月第十九日・属性(炎)・天気:曇り


 例の工事による騒音そうおんが想像以上にひどいので、今日も朝からヌリアと安楽椅子あんらくいすのミスラを連れ、第三図書館の地下書庫へ避難ひなんしています。


 そうして、円筒水路えんとうすいろない悠々ゆうゆうと泳ぐシーミーの様子を時折ときおりうかがいつつ、『魔導司書見習まどうししょみならい』の資格試験に向けた勉強を黙々もくもくと続けていたら、そこにアーシェがたずねてきました。

 意外な客人に驚いていると、彼女は「夏祭りの三馬鹿男子さんばかだんしが探してたわよ」なんてつぶやきながら、私が持ち込んだ簡易かんいベッドや携帯用茶道具けいたいようちゃどうぐ興味深きょうみぶかそうに見つめてきます。


 うん……ちょっとくわしい話を聞かせてもらっていいですか? ほら、お茶とお菓子もありますし、座って座って! あっ! でも、その安楽椅子はダメですよ! 絶対に!

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