灰かぶりのティコ 365日の魔術学校300文字日記

504日目：夏祭りの男子三人

　八十七代魔帝暦（まていれき）二三年・聖女（せいじょ）の月第十七日・属性(光)・天気：晴れ

　予定通り、午後からリトラやカルド君たちと夏祭りへやって来たんですが、完璧なはずの計画に早くも暗雲（あんうん）が漂（ただよ）い始（はじ）めています……なんで？

　切（き）っ掛（か）けはカルド君の「今日もその耳飾（みみかざ）りをしてくれてるんだね、姉（ねえ）さん」という些細（ささい）な一言（ひとこと）でした。

　すると、レイ王子が私へ視線を向けつつ「キミには、俺の贈（おく）った首飾（くびかざ）りのほうが似合（にあ）うはずだ……次は着（つ）けてほしい」とか残念そうに言うんです。

　それに無言で返すと、今度はハール君が「お、俺はティコ先輩から腕輪（うでわ）をもらったし……」なんて呟（つぶや）き、なんだか次第に妙（みょう）な雰囲気（ふんいき）へと包（つつ）まれていく男子三人。

　はぁ～、全（まった）くなにをやってるんだか。いい加減（かげん）にしないと女子だけで夏祭りを楽しみますよ？