灰かぶりのティコ 365日の魔術学校300文字日記

494日目：少しは認めてあげてもいい気がしますね。

　八十七代魔帝暦二三年・聖女の月第六日・属性(土)・天気：晴れ

　昼食後、第五屋外運動場へ向かうと、今日も未来の騎士団長様（きしだんちょうさま）が独（ひと）りで黙々（もくもく）と魔力制御訓練（まりょくせいぎょくんれん）に取（と）り組（く）んでいました。

　ふふっ、相変（あいか）わらず私に気がついても視線を向けるだけで、挨拶（あいさつ）すらありませんけど、額（ひたい）に汗して頑張る姿を見ると、少しは認（みと）めてあげてもいい気がしますね。

　そんなことを思いながら、しばらく訓練を見守（みまも）っていたんですが、やっぱり私の見様見真似（みようみまね）では、あまり上達できないみたいです。

　前回よりも少しマシになってはいるものの、どうしても五十本以上の蝋燭（ろうそく）へ同時に火を灯（とも）すという、この課題における最初の壁を突破（とっぱ）できずにいます……。

　う～ん……これは多少（たしょう）強引（ごういん）にでも手を貸（か）してあげたほうがいいかもしれませんね。