灰かぶりのティコ 365日の魔術学校300文字日記

487日目：夏休みだからと油断してはいけません……。

　八十七代魔帝暦（まていれき）二三年・獅子（しし）の月第三十一日・属性(土)・天気：晴れ

　朝食後、学生寮の食堂から自室に戻り、そのままベッドへ潜（もぐ）り込（こ）むと、部屋の隅（すみ）からヌリアの露骨（ろこつ）なため息が聞こえてきました。

　むぅ……しかたないじゃないですか。ここ数日、夜の就寝中（しゅうしんちゅう）に操夢術（そうむじゅつ）を使っているせいで、こうでもしないと寝不足（ねぶそく）になるんですから……。

　しかし、夏休みだからと油断（ゆだん）してこんな生活を続けていると、昼と夜があっという間（ま）に逆転（ぎゃくてん）してしまいそうですね。

　ふぁ～、とりあえず一眠（ひとねむ）りしたら、その辺（へん）の対策を考えましょう。具体的には操夢術を使用する頻度（ひんど）や時間帯（じかんたい）とか……。

　安楽椅子（あんらくいす）のミスラと魔術師のミスラさんのことはまだまだ色々と気になりますけど、こればかりに時間を割（さ）いてもいられませんからね。