灰かぶりのティコ 365日の魔術学校300文字日記

445日目：まさか、そんなことありませんよね？

　八十七代魔帝暦（まていれき）二三年・巨蟹（きょかい）の月第十九日・属性(土)・天気：雨

　今朝になってもルツナは意識を取り戻さず、医務室のベッドで眠り続けています。

　医務室の先生によれば、私たちが『夢の粉（ドリーム・パウダー）』の資料を隠さず提出したおかげで、適切（てきせつ）な処置（しょち）を迅速（じんそく）に施（ほどこ）せたため、心配しなくてもいいそうですけど……本当に大丈夫ですよね？

　ちなみに、『夢の粉（ドリーム・パウダー）』の開発ですが、操夢術概論（そうむじゅつがいろん）の先生から即刻（そっこく）中止（ちゅうし）するように厳命（げんめい）されました。まぁ、こんな問題が起こったので、当然と言えば当然ですよね。

　なので、それはいいんですけど、『夢の粉（ドリーム・パウダー）』の開発に関わった私たちに、処罰（しょばつ）らしい処罰が未（いま）だなにも言い渡（わた）されないのは、なぜなんでしょう？

　まさか、退学処分を検討（けんとう）していて、時間がかかってるわけじゃありませんよね？