426日目:一流のモグリ

 八十七代魔帝暦まていれき二三年・双児そうじの月第三十一日・属性(闇)・天気:曇り


 う~ん……今から魔導司書概論まどうししょがいろんの授業が始まるんですが、なんでとなりの席にルツナが座ってるんでしょう?


 貴女あなた、この科目も履修登録りしゅうとうろくしてませんよね? まさか、またもぐんだんですか?

 平然へいぜんと机に筆記用具を広げるルツナに、周囲を気にしつつ小声でたずねると、彼女は自身の口元くちへそっと人差し指をて、悪戯いたずらな笑みをかべます。


 やっぱり! 掲示板でも注意されていたのに、なにを考えてるんです?

 その自由奔放じゆうほんぽうさに驚き、思わず指摘してきするとルツナは「バレるのは三流だよ? 私は一流だから大丈夫!」なんて言いながら楽しげに笑い返してきます。


 むぅ……なんですか、一流のモグリって! はぁ~、先生に見つかっても知りませんからね!

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