灰かぶりのティコ 365日の魔術学校300文字日記

387日目：荒れてますねぇ……。

　八十七代魔帝暦（まていれき）二三年・金牛（きんぎゅう）の月第二十二日・属性(炎)・天気：晴れ

「炎でッ！　モノがッ！　動くわけッ！　ないでしょうがッ！」

　先程（さきほど）から私の横でそんなことを叫（さけ）びつつ、アーシェは八（や）つ当（あ）たり気味（ぎみ）に、前方（ぜんぽう）に設置された複数の標的（ひょうてき）へ次々と魔術で生成（せいせい）した炎弾（えんだん）を放（はな）っていきます……。

　時間割（じかんわり）が変更された関係で、今日は午後から属性魔術の実技実習を受けてるんですけど、午前中に仮説熱力学（かせつねつりきがく）の授業があったせいか荒（あ）れてますねぇ、アーシェ。

　おかげで、隣（となり）にいる私はロイン先生やクラスメイトたちから、そいつを早くなんとかしろ！　的な視線を向けられ、凄く居心地（いごこち）が悪いです。

　うぅ……苦情は全（すべ）て元凶（げんきょう）であるピスト先生に言ってください！　というか、実習補助教員（じっしゅうほじょきょういん）なのに、どこへ消えたんですか、あの人！