灰かぶりのティコ 365日の魔術学校300文字日記

327日目：ネイトの王子様

　八十七代魔帝暦（まていれき）二三年・双魚（そうぎょ）の月第二十一日・属性(水)・天気：晴れ

　起床後（きしょうご）、医務室へネイトの様子を見に行くと、廊下にいた寮監（りょうかん）と医務室の先生から入室を止められました。

　なんでも今、室内ではレイ王子と彼が自国から連れてきた医師及（およ）び医療系（いりょうけい）魔術師団（まじゅつしだん）による、ネイトの診察や検査がおこなわれているんだとか……。

　いや、自国？　まさか転移門（てんいもん）を使ってエクレールまで呼びに行ったんですか？　ネイトが倒れてもすぐお見舞いに来ず、なにをしているかと思えば、この王子様は……。

　確かに、その行動力は凄いですし、ちょっと見直（みなお）しますけど……う～ん。

　よし、診察などが終わっても今日は医務室へ近づかないようにしましょう。ネイトのことは心配ですが、二人の時間を邪魔（じゃま）するのも悪いですからね。