230日目:首飾りと耳飾り

 八十七代魔帝暦まていれき二二年・馬人ばじんの月第十六日・属性(闇)・天気:雨


 最悪です! 昼食後、第二図書館へ向かっていたら、廊下でレイ王子に声をかけられました。


 無視すると面倒なので挨拶を返すと、王子は私の胸元へ視線を向け、首飾くびかざりは……気に入らなかっただろうか? と不安げな眼差まなざしでたずねてきます。

 なるほど……ネイトは自身と王子の体裁ていさいや立場を考えて、今回の件を騒ぎ立てないつもりですね?

 う~ん、でも、そうなるとこの場をどう切り抜けましょうか……。


 しかし、問題はすぐに解決しました。カルド君の耳飾みみかざりをさわりながら対処法を考えていたら、なぜか急に王子が立ち去ったんです!


 ふふっ、理由は分かりませんけど、助かりましたね。ただ、ネイトとはもう一度話し合う必要がありそうです。

 

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