灰かぶりのティコ 365日の魔術学校300文字日記

228日目：愛想を尽かされますよ？

　八十七代魔帝暦（まていれき）二二年・馬人（ばじん）の月第十四日・属性(土)・天気：曇り

　夕食後、レイ王子から贈（おく）られてきた首飾（くびかざ）りについて相談するため、お茶会という名目（めいもく）でヌリアと一緒にネイトの部屋へお邪魔（じゃま）したんですが……割と最低なことが発覚（はっかく）しました。

　どうやら、あの首飾りを選ぶ際（さい）、王子は詳細を伏（ふ）せてネイトと宝石店へ行き、彼女になにも知らせぬまま、様々な首飾りを試着させたみたいなんです……。

　別の女性へ贈る品を選ぶのに普通、自分の婚約者なんて使いますか？　おまけに、それが彼女の誕生日、その数日前というのが、本当にあり得ません！

　はぁ～、いい加減（かげん）にしないと、ネイトから愛想（あいそう）を尽（つ）かされますよ、レイ王子？　

　でも、ネイトと話して正解でしたね。例の首飾りは使わずに仕舞（しま）っておきましょう。