灰かぶりのティコ 365日の魔術学校300文字日記

212日目：貴族社会は複雑怪奇です。

　八十七代魔帝暦（まていれき）二二年・星蠍（ほしさそり）の月第二十九日・属性(炎)・天気：晴れ

　登校後、一日遅れですが今度こそネイトに誕生日の贈（おく）り物を渡そうと意気込（いきご）み、リトラと二人で光属性学科の教室へ向かったものの……彼女、今日は欠席してました！

　ネイトのおかげで顔見知（かおみし）りになった噂（うわさ）好きな光属性学科の女子生徒曰（いわ）く、誕生日会に隣国の王族が招待（しょうたい）されていたそうで、今はその接待（せったい）に忙しいんだとか……。

　そういえば、なんだか普段より教室の生徒数も少ない気がします。もしかして、レイ王子やその友人たちも対応に駆（か）り出（だ）されてるんでしょうか？

　う～ん……ネイトのお祝い事だったはずなのに、貴族社会は複雑怪奇（ふくざつかいき）です。

　けど、これは数日会えない可能性がありますね。贈り物に食品を選ばなくて正解でした……。