灰かぶりのティコ 365日の魔術学校300文字日記

202日目：信頼度が少し下がりました……。

　八十七代魔帝暦（まていれき）二二年・星蠍（ほしさそり）の月第十九日・属性(闇)・天気：曇り

　マジケットの練習後、学生寮へ帰る準備をしていたら、ロイン先生から転校生の様子を見てくるように頼（たの）まれました……。

　う～ん……二日続けて全授業を無断欠席した彼女が心配なのは分かりますけど、どうして私なんでしょう？　親（した）しい生徒が他にいますよね？

　そんな疑問を表情から察（さっ）したのか、お前ら仲（なか）いいだろ？　って首を傾（かし）げるロイン先生。えぇ……この瞬間、先生への信頼度（しんらいど）が少し下がりました。まぁ、転校生のことは私も気になるので引き受けますけど……。

　そうして寮へ戻り、寮監（りょうかん）に教えてもらった転校生の部屋までやって来たわけですが……呼（よ）び鈴（りん）を鳴（な）らしても全（まった）く反応がありません。

　これって、実はかなり不味（まず）い状況なのでは？