　八十七代魔帝暦（まていれき）二二年・天秤（てんびん）の月第二十八日・属性(闇)・天気：晴れ

　放課後、ロイン先生に職員室へ寄（よ）るように言われたんですけど……私、なにかしましたっけ？　今回は全（まった）く身に覚えがありませんよ？

　戦々恐々（せんせんきょうきょう）としつつ職員室へ行くと、先生が見知らぬ女性と一緒に待っていました。

　肩口で切り揃（そろ）えた深紅（しんく）の髪と同じ色の瞳（ひとみ）から察（さっ）するに炎属性魔術師ですね。でも、どうして彼女は初対面（しょたいめん）の私に申（もう）し訳（わけ）なさそうな表情を向けてくるんでしょう？

　意味が分からず訝（いぶか）しんでいると、ロイン先生が女性は仮説熱力学（かせつねつりきがく）を担当するピスト先生だと教えてくれます。

　そうして、ピスト先生から風属性日の件を謝罪されたんですが……あの授業、やっぱり生徒は私だけみたいです！

　うぅ……色々と凄く不安になってきました。

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