一日一編集『布団の中から暖房のスイッチを押す季節』

朶骸なくす

やっぱりバカです私はどぶです

 昔は布団の中で告白できただろうか

 並べた布団の中で手を繋げた?

 今なら携帯を弄ってればいい

 好きという文言さえも

 空気の机において

 空気椅子に座って送れる

 クリック、クラック、フリック、タップ

 布団の中は暖かく

 別に外に出る必要はないんじゃないか

 ネットで勉強できるし

 無理やり誰かと組む必要もなくて

 背中を丸めて変態するのを待っている

 私もそのひとり

 勝手に押し入れにはいるのは特別感あったし

 布団の中は安心できる

 そこで変態するのを待っている

 喋る相手も

 送る相手がいなくとも

 ここで書いている詩

 毎日書いている詩

 許されている気分になり勝手に変態するのを待っている

 どうしようもない生き物に成り下がり

 どぶに捨てられようとも

 まあ、いっかですませてる

 矜持だけある厄介者

 早く現実を見つめてくれと、まあ言うが

 こっそりとアレをやめたよね、と囁いた

 やめたそれは続けようと誓ったもの

 評価されないからやめたよね

 やっぱりバカです私はどぶです

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