第239話 いつもですね
公爵邸のメイドさんに連れられて、その美しい肢体をナイトドレス…いや、ナイトドレスはおかしいか…。しかし、そう見えるほどに艶っぽいドレスを身に纏い、ミリアリーゼさんは食堂に現れた。
ふ、ふつくしい…いや、美しい。
白い肢体に青を基調としたドレス。長いスカートは今度は横にガッツリとスリットが深く入っており、その切れ目から見える太ももはこれでもかと眩しい。
そしてこちらもガッツリと開かれた胸元。たわわにたわわなたわわが………ゴフッ!?おっといかんいかん。思わず心の中で吐血してしまった。
俺は立ち上がり、ミリアリーゼさんの手を握る。
「ミリアリーゼさんとアイアリーゼさん…二人共俺がしあわ」『スパアァァアンッ!!』「………痛いじゃないかシーバス」
そして当然のようにシーバスがハリセンでツッコでくるのだが…。
「お止めくださいユーリウス様。公爵閣下の前ですよ」
おっと、そうだった。いかんいかん。…失礼しました、公爵閣下。
「ぷっ………あはははははっ!!面白えなぁユーリウス。いつもこんなことしてんのか?」
「いえ、いつもは」「いつもですね」「………………」
俺の返事に被せるシーバス。俺はジト…とジト目を送るが、シーバスは何処吹く風…である。
「あはははははっ!良いな、お前らっ!良いっ!」
思いっきり公爵に笑われている。公爵も『何』が良いとは言っていないが、ソレが『何』かは俺もわかる気がする。………って俺たちのことだけれど。
こういうところも『器』の大きさを感じる。そう…それはまるで緑色のパイロットスーツを着た…うっ、頭がっ!?
そしてミリアリーゼさんはというと…
「あら、残念」
と、あらあらうふふ…みたいな表情。…いや、その瞳はとても面白いモノを見つけたかのような視線を感じる。
多分『刻を視る者ニュータイプ』が何かを感じ取ったのかもしれな「無いですね」…シーバスうるさい。あとお前は俺のスキルとか知らないだろ、ツッコむんじゃないっ!
「その辺にしとこうか。皆揃ったんだし、料理を出していこう。今日は存分に味わって、楽しんでくれ」
そう公爵が音頭を取り、バタバタとしつつも晩餐会は開始された。
「バタバタしていたのはユーリウス様だけですけどね」
うるさいなシーバス。分かってるよ…。
当然ながら本日のホストは公爵なので、ミリアリーゼさんは公爵の横へ。まあ、普通の貴族なら横に着かせる、なんてことはしないのだろうけど…。
ココだけ切り取って見たら、何処の高級クラブだ?…という感じである。
くっ………俺の横にも着いてほしい。
そして俺は気付く。
ゼハールト家で俺がホストでアイアリーゼさんを呼べば良いのだ…と。
帰ったら直ぐに企画をし「やりませんよ。…というか止めてください。あと旦那様とセイリウス様や奥様方に怒られますからね」………だ、駄目かぁ。
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