第236話 グラムボルグ
ミリアリーゼさんのウインクに心の中の俺が吐血し悶絶している中…今回のホストである公爵が口を開く。
「ふっ………無礼講は後にして、だな…今日はユーリウス。…お前さんのことを聞こうかと思って呼んだんだ」
後にして…と言いつつ、一瞬で言葉が崩れているのは良いのだろうか…。まあ、ソレは良いとして………俺のこと?
「俺がお前の…ゼハールト家のファンだ、ってのは聞いたろう?」
コクリ…と無言で返しておく。
「ファンだってのは間違いないが、実際はグラム商会からいろいろな商品が出てから…の話だ」
なるほど。…で、調べてみたら俺に行き着いた、ってことですか。
「その通り…と言いたいところだが」
え?違うんですか?
「ああ、違う。経緯は簡単…商会長に確認したら、凄え自慢されたってワケだ」
あ、あのジジイ…ヒートエンドするのは決定しているから追加で投げボルグ(槍はグラム)決定だな。
グラムボルグと名付けよう。
え?大丈夫大丈夫。全身を『硬化』させればイケる!
いや、まあ…絶対に秘密!ってワケじゃないし他言無用を約束したワケじゃないけれど、商売人としてソレはどうよ?って話なんだよなぁ…。
「あぁ、グラム会長からは他言無用って言われているからな。聞いた話は俺のところで止めている」
あ、そうですか…。
商売人として最低限は…ってことかな。しかし、グラムボルグは決定事項ですが何か?
「へえ…」
ゾクリ…突然の艶かしい声に俺の『
ミリアリーゼさん、耳の側で声出すの止めてもらっていいですかね?耳弱いんです…。
「ふうん…ソレは良いこと聞いたかも?」
いや、あの、俺の話聞いてます?耳は止め「…で、ユーリウス君の秘密………私も聞きたい…かも?」止め…止め…止めろおっ!!…とは言えない俺は弱かった…。
というか止めろよシーバス。…あと公爵も指差して笑ってないで止めてくれませんかね?
「いえ、何やら嬉しそうでしたので…」
「何か嬉しそうだったからな…」
いやいや、そうじゃなくって。一応真面目なお話中だったでしょ?って話なんですが…。
…もういいです。
…で、ミリアリーゼさん…。
「なあに?」
あの…お話ししますんで俺の太ももを人差し指でこねくり回すの止めてもらっていいですかね?
「イヤよ」
こうして俺は、俺が異世界から二度の転生を得て、今のユーリウスになったことや、開発した物などのことを公爵とミリアリーゼさんに説明したのだった。
というかミリアリーゼさん…アイアリーゼさんより強くないですかね?
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