第98話 O・HU・RO・⑨
母さんたち三人がツヤッツヤッのサラッサラッになって出てきた。
「見て見てっ、ユーリウス!お肌と髪がこんなに綺麗になったわ!」
「マイア、貴女も肌と髪がこんなに…」
「ライラ、貴女こそ…」
母さんが超ご機嫌である。義母さんたちは若干、ゆりゆりしいが…。確かに三人共、綺麗になっていた…が…
「はいはい、湯冷めしないうちに家に入ってね。あと髪はちゃんと乾かして」
さっさと出ろ、と促す。
次こそは俺が入るのだ。そう思いながら俺はお湯を抜き、また張って、貯まるまで待っていた。
そしてそっと…
鑑定先生………入浴剤、イケる?俺、成分とか分からないけど…。と、イメージとか効能とか中途半端な知識しかなかったものの、鑑定先生はしっかりと完成させてくれた。
あの丸い固形のタイプの入浴剤を。…まあ、粉末タイプでも良かったんだが、そこはどちらでもいいか…。
なあんてことを、土魔法で作った椅子に座り、目を瞑りながら脳内で行っていたのだが…
『パフッ』
『パフッ』
「っ!?」
な、何事っ!?
な、何か頭の両サイドが温あったか気持ちいい…。こ、これはっ!?
カアッ…と目を開くと、俺は
…違った。義姉二人に挟まれていた。
「ねえユーリウス…母さんたちが凄い綺麗になってたんだけど?」
「私たちのお肌と髪もあんな風になるのかしら?」
「髪の毛…凄く良い匂いがしたわよね」
「ツヤッツヤッだったわよね」
「「どうなの?」」
義姉たちが喋ると、その振動やら呼吸やらで大変なことになっていた。
挟まれている俺は危うく理想郷から
「なりましゅ…」
全然言えてなかった…。言葉も意思も全然言えなかったよ…。
だが、まだだっ!まだ終わらんよっ!当たらなければ、どうと言うことはないっ!
当たってますけど…。二つ…いや四つも…。
「そうだユーリウス!私たちもお風呂って初めてだから…」
「ユーリウス、一緒に入って教えてくれない?」
「了解しました!」
即答だった…。
だってしょうがないじゃないか。誘わげふんげふん…俺は早くお風呂に入りたかったんだから。…と、某Eなり君風味で言い訳してはみたものの、あまり説得力はなく。
俺は義姉二人に抱えられてお風呂場に入っていった…。
やっぱり三歳児は最高だぜっ!
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