第70話 三つだぞっ?
少し暴走気味だった俺は、応接室付近をちょうど歩いていたセイ兄がなんとなく異変を感じ入室。
セイ兄必殺の「メッ!」が俺に炸裂し、終息する。
セイ兄と入れ替わるようにシーバスが応接室に入り、今応接室には俺、義祖父さん、グラム商会長、シーバスの四人。
………またオッサンだらけなんだが…。
まあ、そこは我慢して本題に入ろう。
「レイラ様に…ですか?」
そう。レイラ母さんはあまり本邸からは出ないけれど、今度の件が片付くまではシーバスがレイラ母さんの護衛に付いてくれ。
「かしこまりました。ユーリウス様のお母上であるレイラ様を確りと護り抜きましょう」
うん、シーバスが護衛に付くなら一先ず安心かな。最近の訓練で近接戦闘に関してはまた腕を上げたし…。
で、グラム商会長………相手は誰?
「待て待て待て待てっ!マリウスやシーバスの実力は知っているが、さすがに相手が悪い。シーバスをレイラの護衛に付けるのは良案だがな…」
………あれ?義祖父さんとシーバスだけ?………………あぁ、そっか、グラム商会長は俺の力のことは知らないからか。商会長の中では俺は「何かいっぱい美味いレシピを知ってて、商売が上手い子供」…くらいな感じかな?
「セイリウスやレイナ、そしてユーリウス…お前も狙われるかもしれんぞ?お前らを誘拐でもしてしまえばレイラから情報を引き出し放題。…そんな風に思っているかも知れないからな…って、待て待て待てっ!?殺気と魔力をしまえっ!」
だから、そんな奴は滅殺だと、何度言えば…まあ、いい…話が進まないからな…。
「ふぅ…やれやれ。まあ、変なことは考えないで護衛を増やしやり過ごすのが良いと思うぞ?」
新しい料理レシピ三つ…
「落ち目のコノモ侯爵が主導で動いているようだ…それで」「おいっ、ケイビルッ!速攻で口を割るんじゃないっ!」「それでな…」「続けんなっ!?」
義祖父さん、ちょっと黙って…
「やれやれ…まったく…。ん?ケイビル、その話をさせろと言う視線を向けるんじゃない」
「新しいレシピ三つだぞっ?それに名前は出しちまったからな…もう遅い」
グラム商会長がそう言いながら義祖父さんに俺の方を見てみろ、と顎で俺を指す。
「おおぅっ!?ユーリウス…また漏れ出てるからっ!?しまえしまえっ!」
おっと…ついつい魔力やら殺気やらが…。
「というか、な…殲滅やら滅殺やら言ってはいるが、ユーリウスにそんな戦力の当てがあるのか?とてもあるようには見えんし思えんぞ?マリウスやシーバスを頼って…というワケではないのだろう?」
義祖父さんが「どうする?」と言うような視線を送ってくる。
正直、もうバラしちゃった方が話が早くない?と思っているので、俺はOKの意を込めて、コクリと頷いた。
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