第66話 …ですけどぉっ!?

グラム商会でマヨと唐揚げの話を纏め、その帰りしなに新しく知った異国の商店で多種の香辛料や乾物を発見、購入した俺。

さらに米、味噌、醤油をゲット出来そうということでご機嫌な俺が、そこからゼハールト家に帰ろうとしたところでテンプレイベント『チンピラに絡まれる』を踵落とし二発でイベントコンプリートしたのだが…。


「男爵家、子爵家程度ならば儂の力で何とか出来るし、何とかする。だが伯爵家以上となるとお前らを守りきれなくなる可能性もある。ユーリウス、お前は大丈夫かもしれんが…」


「俺以外………家族、か…」


コクリ…と頷く義祖父さん。そんなことを聞かされたら自重せざるを得なくなる………………普通なら。


現状、どうあがいても俺が三歳の幼児だということは変えられない。戦闘やなんやかんやは無理矢理なんとか出来るし、なんとかするが、正直、違和感しか残らないだろう。

それもいずれ俺の成長と共に解決するだろうが…そんなのは待っていられないし、待つ気もない。


何故なら、前世…勇者の時の死因が、仲間の裏切りはそういった貴族のしがらみや身分などが原因なのだから…。


だから俺は…


「義祖父さん…家族に腕利きの護衛とか付けれるか?シーバスも俺から外していい。あと護衛を付けるのは、もちろん義祖父さんにもだ」


「…ユーリウス?」


「護衛の条件は家族を…対象を数日護り抜くこと。死ななければ俺が回復魔法でどうにでもする。そして数日あれば…」


…国軍だろうが騎士団だろうが、王族でも………国が相手でも…"殲滅"してやる。

俺は怒気も殺気も出さないようにはしたが、そう言い切る。


実際のところ、軍やら国やらを相手取るには俺のレベルが『1』のままでは厳しいだろう。…まあ一対一タイマンなら騎士団長だろうが剣聖だろうが何とかなるとは思うが…。

まあ、ヤバそうな時は広範囲上級魔法を使って、一気にレベルアップを狙ってみても良いかもしれない。


「本気…か?」


義祖父さんは俺の言葉を受け止めて、そう質問をしてくる。その皺を刻んだ顔から、瞳からは心配の二文字が浮かんでいる。

初対面の時の傲慢さは何処に行ってしまったのだろうか?………まあ、良い変化ではあるな。


「俺一人ならどうにもでもなる。切り札もたくさんあるしな」


だから…心配は家族にしてやってほしい。あと自分の年齢もちゃんと考えてくれよな。


「………………」


「………………分かった。護衛は儂の方で何とかしよう。信頼出来る者に声をかけておく。あと………シーバスを外すのは無しだ」


「………………義祖父さん」


義祖父さんの言葉に俺は………………出来れば外して欲しかったんですけどぉっ!?専属メイドさんを付けて欲しいんですけどぉっ!?

心の中でそう叫んだのは言うまでもない。


俺の周りからオッサンが離れないのは呪いか何かなのだろうか…。

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