第2話 最初の相談所はレベル?が高すぎた
最初に入会した、M商事福利厚生の結婚相談所。
『ここの会は男性優位です。女性会員が多すぎて、相手が希望される年齢が若いため、あなたにご紹介できる男性の年齢は30歳を超えてます』と注意事項で宣言されたのだった。
要は、男性会員は高スペックだから、結婚できたらラッキーと思ってる側が女性である、ということ。
入会金はさほど高くなかったような気がする(事務費で諭吉5人だったと記憶してる)けど、詳しくは覚えてない。
23〜25歳の2年間、在籍してたはず。
年に数回、青山にある事務所に行く。紹介者はアルバムにまとめてあって、そこから写真と登録情報で選び、お申し込みをする。
相手方から連絡がなければ終わり。
なんとか双方の希望が通って、3人くらい会った記憶がある。
事務所でスタッフの人を交えて二人でちょっと話をしてから、喫茶店に移動してお茶して一度目は終わり、という展開だった。
大抵はそこで向こうからお断りがきてお終いだけど、一度だけ夜に食事をしにいったことがある。
女子校に約5年間いたもんだから、当然デートなんて一度もしたことがない。
老舗の天ぷら屋に連れて行ってもらって、お相手の人がシャコが好きだと言うので、シャコ天を初めて食べた。
なんでそうなったのか覚えていないけど、一度目のお付き合いで実家に連れて行っちゃったんだよなぁ。
なんで???
自分でもさっぱりだよ。
若かった(というよりまだ幼稚だった)から、よくわかってなかったんだろうなぁ。
付き合いたいとかいう気持ちがあったわけでもないけど、付き合うなら、まずは親に合わせなきゃって思ったのかも。
そうだ、思い出した。
車で家まで送ってもらったんだった。だから、自宅に着いたら親が出てきて、上がってもらって、ということになったんだった。
父親と話をしてる光景が記憶にあるんだけど、
そして当然、お断りの連絡が来た。(笑)
なんだかんだで活動期間の2年間が過ぎて、ここは無理だな、と感じ、継続はしなかった。
個人的な経緯をちょっと追加。
高校3年の頃に学友数名とお金出し合って、初めて同人誌を作った。
たしか大阪の中心地にある貸し会議室で、50サークルもいない同人誌即売会に出た。(その後そこに出ていた、ひと回り年上の人たちがコミケを立ち上げてるはずで、主要人物が主催していた即売会)
内容がオリジナルだったし、高校生の描いた下手漫画だったし、ぜんぜん売れなかった記憶があるけど、雰囲気がすごく楽しかったんだと思う。
結局、現在に至るまで創作活動の下地となっている。
その後、短大に入って学友がハマったデビューしたての悪魔バンドのコンサート(通称ミサ)に行ったら、そこで知り合ったファン(信者)同士で意気投合。
社会人になっても悪魔バンドの追っかけは続き、そこで知り合ったバンギャ友と同人誌を出したり、コスプレしたり、コミケに出たりしてた。
当時、オタクは犯罪者を生む社会の害悪、デカい事件が起こったりしてマスコミに目の敵にされていたので、親の覚えがめっちゃ悪くてね…追っかけしてるっていっても年に数回、ライブ仲間と遠征する程度。
なので、なんで毎度行くたびに母に嫌がられて、あんなに怒られたのかよくわからなかった。
とはいえ、雑誌の投稿欄で知り合ったライブ友と同人誌の合同誌出して、会ったこともないのに泊まりに行ったりとか、けっこうあの時代個人情報ガバガバ状態で、よくも大きな問題も起こさず起こらずに済んだもんだなぁと今は思う。
(娘に話したら、えっマジで?と引かれた。うん…よくやったね自分)
いまならよくわかる。
親ってのは、自分の知らんもん、不安なもんは毛嫌いするんよ。(自分がやってるから実情を知ってるし、別にライブもコミケもコスプレも追っかけも、分相応なら娘がやろうがなんとも思わないけど、夫ですらコミケを実際に視察体験するまでは、娘に絶対行ったらダメと言っていた)
社会人やりながら、一方でこんなはっちゃけ活動を続けていた私に対し、戦時中に幼少時を過ごした世代の両親には、私の行動は理解不能だったらしい。
将来に不安しか感じてなかったんだろうね。
後年、印刷技術で物作ったりするようになって、母に『すごく誇りに思う』と言われた。
私が結婚したあと、産んだ子どもにもいろいろあったものの、精神的にも落ち着いて順調に生活できるようになってからのことだった。
思い返せば、目に障碍を抱えつつ、とにかく訳分からんものに夢中になる私を、母はずっと心配してたんだろうな。
続く。
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