第十九話「Liberty City」



・・・・・・


職員室にて。




Fender Jazz Bass...しかも1960年製のブラック、、?

いや、ネックは62年製、、かしら。

これって、、


中隯

あ、、来た来た!

藍安さん!?

君宛に荷物が届いたんだけど、何か知ってる!?!?


えーと、お父ちゃんからさっき電話があって。


「古い馴染みの役者が持ってる中古品があるから、それを送らせる。


楽もよく世話になってる、あの人だ。

感謝するんだよ。


兎角。

素人時分で、新品なんて生意気だよ。

色味も、舶来の派手なのはダメだ。

まずはこれで精進しな。」


って。


中隯

あぁ〜.....

えーと、そうか。

藍安さんのお父さんの、知り合いの、役者さん、ね。


状況証拠からして、間違いなさそうですね...


中隯

えーと、藍安さん。

このベース。

...これをみて、何かわかる?


あ〜おいちゃんのベースだ。

お父ちゃんの友達の、おいちゃんさんの持ってるやつです。

昔から、お父ちゃんには内緒だよ、ってこっそり弾かせてもらったりしてたんです。


中隯

...そうか。

わかった。


藍安さん、良いお父さんを持ったね。

これは、とても良いベースだ。


大事に使うんだよ。


はい!

  






...なんで呼ばれたんだろう??

ねぇ、呑。

何かわかる??


......恐ろしすぎて僕からは何も。


??

えーと、銀はなにかわかる??


.....兆。

世の中には知らない方がいいこともあるよ。


そうなの??

えーと鶚?なにかわかる??


あれはあれでしょ?

じーちゃんの友達の竹雀さんも昔買ったっていってて〜

じゃこなすが使ってたとか言ってたかなー


じゃこなす?

美味しそうだけど、ベースになんの関係があるの??


...兆。ちょっと黙りなさい。


えっ、、、うん。わかった。。




どうしてこんなことに...

いや、確かに筋は通っているけれど...

イチ高校生が持つにはあまりにも...

でも確かに62年のネックなら藍安さんの手の大きさでも弾きやすい...

いや、でもこんなこと許されていいのかしら.....


中隯

奏さん、大丈夫だ。

なんとか、するから。


....腰砕で立てない先生に言われても説得力がないです。


中隯

...仕方ないじゃないか。 


まぁ、なるようになるさ。

それと、このことは僕たちだけの秘密にしよう。

あくまで、コピーモデルということに。


...そうですね。 



って、待って藍安さん。


な に を、

貼ろうとしてるのかしら??



え〜と、千社札です。

うちの一門の。


........

ど こ に、 貼るのかしら??


それが悩んでるんですよ〜

目立つようにしたいからなぁ...


中隯

奏さん、チャンスだ。

まさか、そんなもの貼ってるベースが、ビンテージだなんて誰も思わないはず...だろう?


いや、待ってくださいよ。

ダメに決まってるでしょ!?

絶対剥がす時に塗装にダメージが...





えー目立つとこって言ったらここでしょ!!

ちょうど平だし貼りやすいよ!!

ほら!


中隯、奏

....あっ


わーーーみっちゃん上手!!

ほんとだねーピックガード外れてるから貼りやすいねぇ


.....どうしたものかしら。


秘密、ってことなら良いんじゃない?


(もう喋っても良いかな...??)

 



(貴重なビンテージが、、、音楽史に残る神器が、、、)


中隯

(あちゃー....まぁ、結果オーライ、ね?奏さん。)


(.....白目剥いて泡吹いてる先生に言われても説得力ないです。)


中隯

(そういう君だってさっきから気絶してるじゃないか...)



わーい!

私のベース!!

私だけのベースだ!


名前つけようよー!!

まっくろだから何がいいかなーー??


まっくろ....

まっくろくろすけ、、

よし、くろすけにする!


かわいいー!!!

くろすけー!

よろしくなー!!



.....くろすけ....くろすけ....


.....くろすけ、いい名前だね...?


兆、黙って。


...なんだよもう。


兆。兆は悪くないけど...流石に私もドン引きしてる。

呑の気持ちも、わかってあげて。


...うん。

今度、どういうことか、教えてね?


...そうだね。

兆が大人になったら、教えてあげる。


えっ、、、それって、、

えっちな....


...そういう意味じゃないから。

やっぱ黙ってなさい。


...はい。。





第十八話「Liberty City」完。


・おまけ


楽曲解説。

Jaco Pastorius、というと僕はこの曲が一番好きです。

ビックバンドをコントロールする様が、とてもかっこいい。


https://youtu.be/o64Ookmspuw





・機材解説


僕は悪くありません。

楽の父がやったことです。


...いや、ほんとに。

前回まではmoon持たせようと思ってたんですが。



以下、

なんのこっちゃわからん、という方に、ネタバレ。




















歌舞伎役者、中村梅雀さんの所有する、ジャコパストリアスが実際に使っていたJazz Bass、です。


書いた当時、2年前は梅雀さんの持ち物でしたが、

ここ数年くらいで、息子のフェリックスパストリアスが梅雀さんから買い戻したとかなんとか。


まぁ、あくまでフィクションなので。

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