第三話「オンリーロンリーグローリー」

グラウンドの真ん中に、仁王立ちの銀。



星を眺めたり、重い思いに過ごすメンバー。




遅れてそこに向かう、兆。





きたなー兆!

泣かせたやつはどこのどいつだー!

殺してやる~~!!!


あはははは。銀だって泣いてんじゃんか。

それにもう、泣いてないよ。


うるせー!!!

くっちまうぞ~~!!!



えへへ~~たのしいねぇ


星がすごいよ~~~!!



鶚はどこから持ってきたのか、

花火を空に打ち上げまくっている...




花火の音に驚いたカラスが一羽、空に飛び立つ。


カラスの目に映る彼らは、校庭の真ん中にちっぽけに映る。


空に舞い上がり、校庭の外の暗い街。


スカイツリーに東京都の夜景、遠くには富士山。


桜は散りかけているが、街はとても華やいでいる。



カラスは星空の中に吸い込まれて行く。





・・・・・・・・・・。





地球、夜の日本列島。


関東


C県北西部


華ケ谷市


華ケ谷高校、校庭。



5人はグラウンドに横たわり、星を眺めている。








ねぇ、バンド名どうしようか


あー考えなきゃだねぇ


かっこよくてかわいいやつがいいなー!


そうだね。


わたしはねぇ〜こんなのが好きかな。



楽が寝転がりながら、スマホロで空に映す。



The Beatles Get back session

1969/1/2

Roof top of Twickenham Studios.


https://youtu.be/x3PlfLgRV6E




あー!!知ってる!

じーちゃんも大好きなバンドだ!!


くーー!!

やっぱリンゴが一番かっこいいね!!


あはは。

私はポールが好きかな〜。



...この映像はバンドの最後の、仲良しなところが映ってて、大好き。


バンドが始まる前に言うのも変だけどね。


もしバンドやるとしても、仲違いするんじゃなくって。


こうやって終われたら素敵だなーって。


10歳の時に

「私もいつかバンドやるならこんな終わり方がいいな」


って思ったんだ。



...なるほどね。

このバンドは知ってても、詳しく知らなかったから...

この映画、帰ったら見ようかな。


・・・・えっ、上映時間全編合わせて486分!?

どう言うこと?


えーとまぁそこは色々あるんだよ〜

でも今見るのは良いタイミングじゃないかなぁ〜。


ねぇ、兆ちゃんはどんなのが好きなの?



僕は.....

このバンドが好きだな。

12歳、中学校入る前にテレビで見て憧れて。


中学校には軽音部無かったから、やれなかったけど。





Bump of chicken

「オンリーロンリーグローリー」

ユグドラシル(2004.8.25)収録

https://youtu.be/pZQtk0TnvjM







わー!!!

かっこいい!!!

このバンド知ってるけどこの曲はちょっと古いやつ???


そうだね。

僕たちが生まれる前の歌だから。


すごい力強い歌詞、、

気軽に歌える気がしないな。


そう??

私はうたえるよーー!!

さいはーてかーらこえーがするー!!!!


かっこいいけど、

なんか可愛いとこもあって素敵だねぇ〜

優しい歌だね〜。


選ばれなかったら、選びにいけ、か。

兆も、私を選んでくれたね。


.....うん。

ちゃんと選んだから銀と出会えたし、

みんなとバンドがやれるんだって、さっきわかったよ。


もう、迷わないから。


...うん。

えらいぞ、兆。



ふむ。

なんだか、要素は揃ったような気がするけどバンド名に落とし込めるかな。



そうだねぇ〜...

じゃあ例えば



(スマホロで空に字を書く楽)






「ゲットバックグローリーデイ」





おぉー!!!

楽ちゃん天才!!


もう一度栄光の日々を、か。


なるほどね。

良いんじゃない?


...あのー

バンド名はローマ字してみたいのだけども...


あーたしかに。

私も「THEE MICHELLE GUN ELEPHANT」みたいな感じにしたい。


ふむふむ。

そうしたらこんなかんじ???




「Get back growry day」




わーみっちゃん上手だねぇ!

もうバンドロゴみたいだよー!


綴りが違うけど...

Growr、って唸り声って意味だよ?


あはは!

そしたらそっちの方がいいんじゃない?


反抗期を取り戻せ!みたいな?


あちゃー

また反抗期かぁ。

お父ちゃんに苦労かけるなぁ〜...笑


よーし、じゃあ決まり!!!


   






私たちが!!!!









日本の!!!!!













ゲットバックグロウリーデイズだー!!!!!!!!


















銀、楽、呑、兆


......ズ????













2023.4.25 21:37 「Get back growry day's」結成。




火曜、友引。





第三話「オンリーロンリーグローリー」完。


第四話に続く。






・おまけ


楽曲解説。


言わずと知れた、Bump of chicken。

僕は2005年のROCK IN JAPAN FESにて、初めて見ました。


当時の僕は高校一年生。

フェス、というものの情報も今ほどなく、ホームページも簡素なもの。


中学受験に悩んでいた僕を

「高校で一緒にBumpのコピーバンドやろう」

と誘ってくれた友人が調べてきてくれたその情報はあまりにも非現実的で、

「これ詐欺じゃない?大丈夫?」

と二人して疑いながら、

虎の子の1万円ちょいを郵便振り込みしたのを克明に覚えてます。



ライブ自体は、その友人に誘われて高校入学前の2005年3月24日(木)に

「エイジアエンジニア」「木村カエラ」「スムルース」「detroit7」

の4マンライブをZepp Tokyoにて体験していました。

(空いてて前の方で見たい一心でスピーカーの前に立っていたため、一週間耳鳴りがやまなかったのを覚えてます。当時のプレスリリース、ありました。 https://www.asahibeer.co.jp/news/2005/0202_1.html)



ただ、フェスの衝撃はその比じゃありませんでした。

会場に降りたって快晴の中、レイクステージで175Rのライブ。

好きな曲ばかりで最高!!と体力を惜しむことなく楽しんだ後。


「Bumpはメインのステージだから、移動して、なるべく頑張って前の方でみよう」


という友人の誘いのまま、メインステージへ移動。

途中森の中から聞こえてくる素敵な音楽(風味堂)に惹かれながら、

観覧車を越えて辿り着いた先。




映像ですら見たこともない広いライブ会場で、




見たことも聞いたこともないむちゃくちゃかっこいいロックで、




見たこともない規模の人数(4万人くらい)が熱狂して、土埃が上がっている様。





そのバンドはACIDMAN。

あのときの曲はFREAK OUT、だということを公式レポートブックで知りました。

当時BumpやB'z、スカパラくらいしか知らなかった自分にとっては十分すぎるほどの衝撃。


「こんなかっこいい音楽があるなんて。

 いつか自分も、こんなところでやってみたい」


と思うには十分すぎる衝撃でした。



その後、メインステージに出てきたのは「KREVA」

KICK THE CAN CREWは知ってましたが、とにかく、ゲストが超豪華。

https://www.barks.jp/news/?id=1000010637


「セクシーはラップじゃなくって、本業はギターなんすよ。GOセクシー!」


といって紹介された謎のギタリストのプレイが超絶にかっこいい。

とにかくBump of chickenを見にきていて、

早くてドライブのかかった音の曲ばかり探していた自分にとって、

メロウでジャジーかつロック魂のこもったギタープレイは別次元の感覚。


マボロシ MABOROSHI - ファンキーグラマラス Part2 feat KREVA

https://www.youtube.com/watch?v=D0eT0YCqWEc&themeRefresh=1


あの時の出会いは自分のギタープレイにものすごく大きな影響を及ぼしました。

そのギタリストの名は


「竹内朋康」


SUPER BUTTER DOGにマボロシ、椎名林檎のツアーバックも務めて、堂本剛のソロプロジェクトには欠かせない存在...の竹内さん。

いまだに「セクシー」って呼ばれているところを見たことがないのですが、なんだったんだろう。



その後の「YUKI」も「100s」もろくに知らずに「Dragon Ash」は知ってる!

といった感じで「水一本」しか買わずに最前エリア付近に張り付いた結果。


「ごめん、ちょっときつい」


という友人の声で我に帰り、Bump前に後ろに下がることに。

そもそもフェスに来るのにお互いに2000円しか持ってきてない、という事実にそこで気づく....わけもなく。


「休めばげんきになるっしょー!ゆっくり楽しもうよ!」


とTシャツ脱いで水道でジャバジャバ洗って半裸でバッキバキな自分。

後日「日焼けがきつすぎて二度と行きたくない」と打ち明けてくれた友人。


兎角、待ちに待ったBump of chickenのステージ。

プラネタリウム、が発表されたばかりのタイミングで、

サウンドチェックでイントロが一瞬流れただけで大騒ぎ。


ライブの記憶は正直あまりないのですが、

その時の二曲目が


「オンリーロンリーグローリー」


でした。


でも当時は特に感動したというより、


「グングニル聴きたかったね。Dannyやんなかったね。やっぱフェスだからしゃーないのかなぁ」


などと生意気に曰う我々。

水は飲めたものの、何もたべずに炎天下のひたちなかに1日中。


「ラストはRIP SLYMEだー!!楽しみ〜〜〜!!」と言う自分。


「ごめん、、もう無理だわ」という友人。


そこで喧嘩になる。わけでもなく。

「あーそっか。しゃーないよね。もう帰ろっか。多分終わったらすごい混むだろうし。」


遠くから聞こえるGALAXYやJOINTにノリノリになりつつ、帰路へ。


予定では駅まで歩くつもりだったけど、

意外と遠いのと相方がヘトヘトなのでシャトルバスに乗ることにした結果


「えっ、シャトルバスってこんな高いの?」と言いながら払い。


「えっ、勝田ってこんなに遠いの?」と言いながら電車に乗り。


(行きは2日間参戦の姉に送ってもらったのでよくわかってない)


終電間近にC県までたどり着きなんとか帰宅。

残金は、50円ほど。

ジュースの一本でも買ってたら、帰れなかった。

100円のクリスタルガイザーとその空き容器に詰めた水、でよく無事だったな...。



という一夏の思い出。



そのことがきっかけで、僕は今でも音楽を続けていますが、

友人は夏休み明けに、バッキバキのアニメオタクへ転身。

ギターは辞めてしまって一緒にバンドをやることは叶わず。

だがしかし、そのきっかけを作ったのは、自分。



彼に貸した


「月姫~完全版~」

「月姫PLUS-DISC」

「歌月十夜」


が決定打だったようです。



そんな彼は今、

都内で某アパレルブランドのエリアマネージャーとして活躍してます。


最近はポケモンSVで一緒に冒険をしたり。

リアルでゆっくり散歩をしてみたり。


一緒にバンドをやることは叶わなかったけど、とても大事な友人です。


なので


「今高校生や中学生の君にも何が起こるか、何がきっかけになるかわからないよ」


という話でした。


おわり。

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