第12話死んだ。
……う、うぅん。
目が覚めると淡い光の中にいた。
「あなたは死にました」
声が聞こえた。高い清らかな澄んだ声で美しいハープを思わせる声だった。
「なんで。俺は死んだ。俺は死なないはずなのに」
俺は混乱した意識の中で、その声に言った。
「それは、地球の女神にかなえてもらった願いですか」
「ああ、エリア50の女神にな」
「地球のエリア50の……ああ、スペインの女神ですね」
「知っているのか。はい、私の部下の部下の部下ですね」
「詳しいな」
「それよりも、あなたは死にました。ご察しの通り異世界に転生します。スキルとかがある世界です」
「そうか。だが、どんな世界なんだ」
「ええと、カオス世界ですね。色々とカオスな世界であり、設定も人物も適当な世界です。リアルとゲームと抽象画が混ざったような世界です」
「なんでそんな世界が存在しているんだ」
「それは私にもわかりません。神様が適当なんでしょう」
すると女神が消滅した。
「私は神だ。私の批判をした女神は消させてもらった」
「こわっ」
男が言うと、女神が再び現れた。
「うそでした。自作自演でした」
女神は神を演じ自ら姿を消したおちゃめな女神だった。
「それより、スキルをどうせもらえるんだろ」
「ええ、そうですね。好きなスキルをあげます」
「よしっ、じゃあ自分で想像し、創造出来るスキルが欲しい」
「わかりました。今もうあげました」
「仕事が早くて助かるぜ」
「では、どちらが良いですか。この姿のまま転生するか。それとも赤ちゃんとして生まれ変わるか」
「このまま転生って俺は死んだんだろ。つまりは肉体がない状態だと」
「そうです。幽霊として転生します」
「すごい、罠だな」
「それだけのスキルを持っているからチーとですからちーとばかり意地悪をしました」
「意地悪で幽霊転生はいやですね」
「では赤ちゃんとして転生で良いですね。ああ、前の地球の病気にかからない能力もそのままです」
「いやまてよ。という事は赤ちゃんのまま成長しないってことか。それはつまりやばいな。だったら捨て子に転生したいな」
「わかりました。それで可能です。今そのカオス世界で捨て子はいますが、どの捨て子にしますか」
「周りに人や猛獣がいない赤ちゃんが良い」
「わかりました。3秒後に転生します」
「まって、そしたら元々の赤ちゃんの魂は?」
「いや、もう捨てられて死んだ直後の肉体に転生します。するとあなただけの魂が入ります」
「2……1……いってらっしゃい」
女神は名前を聞くこともなかった女神はそういって俺をカオス世界へと送り出した。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます