『元カレのママと付き合う女の話』の裏話

3-4 世界はそのままじゃいられないから ……の裏

◎エピソードタイトルの元ネタ

　fhánaの楽曲『World Atlas』の歌詞からイメージしました。あの曲の背景を汲みつつ、曲が作られた頃よりも混沌としている時代を感じつつ。

◎作中の年代

　明示はしていませんが2025年のつもりです。東日本大震災やコロナ禍に関しては実名で登場させていますね。ちなみに作中時点で新型コロナに関する記述がないのは「終息するにしても常態化するにしても、今ほどセンシティブな事象ではないだろう」という推測を立てているからです。慣れで押し切る可能性もありそうだなと、最近の雰囲気からするに。

　あと海外情勢はマジで予測がつかないので、具体的な記述は避けています……その理屈だと日本がどうなってるかも不明ですが、そこは流石に。

◎エピソードの狙い

　実穂まわりの感情を整理しつつ、義花にとっての家族観を描きつつ。

　あんなすれ違い方をしても義花＆仁輔はカップル（というか暫定夫婦）を目指してしまう、その心情を深掘りしました。

『カレママ』のキャラ、特に義花と仁輔は「社会は自分たちにとって望ましい方向へ進まないものだ、あまり期待するものじゃない」という世界観を持っています。同時に「不安定な社会でも自分を大事にしてくれた人を、自分も大事にしたい」という信条も持っています。

　そして二人にとって、九郷家と津嶋家の縁は一番に大事にしたいものです。結婚とは二人の問題ではなく家どうしの問題だ……という意識を、この年代の若者にしては珍しいくらいに強く持っている。

　それだけ大事だからこそ話がややこしくなってしまうのですが。