◎エピソードタイトルの元ネタ

　牧村朝子さんの書籍『百合のリアル』より。僕が同性愛まわりに関心を持って初めて読んだ本だったかな。義花にとって百合が愛でるものから向き合うものに変わった、その直後の話。

◎エピソードの狙い

　まず義花は、レズビアンだと気づいた割には落ち着いている方でしょう。一般的にというより、RNシリーズの詩葉と比べて、ですね……詩葉が悩みすぎという説もありますが。良くも悪くも世間の目を気にしない子だと思っています。

　作中で義花は「今の自分の心境に合う百合がない」と言っていますが、僕も『カレママ』的な展開の百合作品は知らないです。仲良い友達の母親に惹かれる少女の話とか、はじめ付き合っていた男性の知人女性に惹かれる話とかはありそうですが。

　そして、過去に出会っていた女子カップルも登場。彼女たちの名前の元ネタは『魔法科高校の劣等生』のほのか＆雫からです。

『カレママ』は現代日本でのガールズラブを描いていますが。義花の性格や浮気・略奪愛という事情も相まって「同性カップルである私たちをみんなにも認めてほしい」という感情があまり描かれません。だからこそ、同性カップルであることを周囲に明かす意味を少しでも描いておきたかった……というのも、今回の狙いの一つでした。