　◎エピソードタイトルの元ネタ

『仮面ライダークウガ』のサブタイトルである漢字二文字、シンプルイズベストが光るフレーズの数々でしたね……

　本作が最も影響を受けたライダーは『W』ですが『クウガ』も結構強いです。主人公・雄介の在り方とか、ヒーローや警察の立ち位置とか。

　◎エピソードの狙い

　義花の将来像に大きく関わってくる、産婦人科医という職業について。まずは義花がよくお世話になる科であるということから。僕が生理まわりの描写に深入りしても説得力が薄いので、ディティールは省いて展開に必要な要素のみ入れる……という方針にしました。書けた方がいいとは分かっていますが、それで理解できた気になるのも違うかなと。

『彼女と彼女、と彼の恋詩』の主人公・詩葉や、『最愛なる小説家への恋文』の主人公・紡もそうなのですが。市亀作品の女性主人公には、師匠のような同性の年長者（ラブ抜き）がいることが多いです。大体はポジティブな関係性、たまに闇が隠れていたりはしますが……

　今作でもそれは顕著なのですが、その一人が百寧先生です。昔から抱いていた素直な憧れと、それゆえに産休に対してモヤモヤしてしまう本音。

　そして後半では仁輔と咲子への、女性としてのスタンスを描きました。

　義花は基本的にロジカル思考で、理に合わないことは合わないと分かることが多いです。ただ、理に合わない発想でも自分にとって必要なら抱き続ける……という、変化球な合理性を持ってもいます。信心深い科学者も少なくないですし、この辺は二元論で割り切れないことも多そうなんですよね。