第2話

「テロス殿、我らを呼び立てたということは、いよいよこの星林を明け渡す覚悟ができたということか? マン族の軍門に下れば、今にも倒壊しそうなこの寺院を立派な鉄製の建物に変えることもできるぞ」

「アトモス、抜けがけは許さんぞ。ヴィズ族の配下となれば、空中に浮かぶ天空の寺院とすることができる」

「テロス殿、このアペルと共に歩みましょう。こやつらのように、下につけなど申しません。皆すべてを平等に扱います」

 三人はお互いの顔を睨みあいながら、一触即発の緊張感を漂わせていました。


「この星林は皆様方のような技術や知識を持ち合わせておりません。それよりも長年の争いで、すでに大半の星々が崩壊しております。そろそろ万物の根源論を終息させてもよいのではないでしょうか。私どもは争うつもりはありません。お決めになられた根源論に従うのみです」

「すべての法則は科学理論により証明される。こいつらから怪しい迷信を取り除くことができれば、それもすぐに叶うこと」

「科学とやらは無駄に資源を消耗し、環境を破壊する。そんなものより、宇宙の気を通じて力を操るほうが道具はいらないし効率もよい」

 アトモスの言葉に対して、アペルは大いに反論しました。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る