12月19日 洞窟の国の城笛&学校パズル
迷宮都市を設計した伝説の変人建築家ルオノ、覚えてますか? 彼、実はヴェルトルートの王宮と魔法学校も建てていまして、今日はそのミニチュア……の前に、まずはお城をご案内しましょうか。
流石に観光客が気軽に入れる場所ではないので、景色の良い場所から眺めましょう。空の街から川沿いに馬車で東へ数時間。美しい三つの大きな湖に囲まれたあの街が王都ルエトです。あの一番高い建物が――あ、いや、あの巨大な塔じゃなくて、街の一番奥にある青いお城、あれがアルヘヴィール城です。直訳すると「青い天空城」ですね。
変わった形をしているでしょう? あれは尖塔型石筍建築といって、巨大な鍾乳石をくり抜いて作った建物なんです。この国の古い建築はこの様式が多いですが、そのなかでも最高峰の美しい建築として知られています。繊細に彫り込まれた回廊と、あそこ青白い「月の塔」よりも青みの深い
別名「歌う城」と呼ばれるアルヘヴィール城、詳しい仕組みはまだ解明されていないのですが、どうやら巨大なハーモニカのような構造になっているらしく、風が吹くと幽かに音がするのです。魔術によって天候が完全に管理されているヴェルトルートだからこそ、その神秘的な和音を楽しめますが、これが強風に見舞われる地上の建物だったらとんでもないことになりますよね。嵐の夜に大音響で歌う城と、耳を塞いで死にそうになっているロイヤルファミリー……かわいそう。
こういう奇妙な建物が、王都にもうひとつ。街外れの茶色い建物、見えますか? そう、それです。あれもまた、なんとも形容し難い変な形をしているでしょう。あれが魔法学校です。あっちは風が吹くと組み変わります。え? そのままの意味ですよ。教室の場所がガチャガチャ移動するんです。なのであそこの学生は、5年生でも各教室の場所を覚えていません。すぐどっかいっちゃうから。
本日のお土産は、そんな王都で買えるお城型の笛と、魔法学校型のパズルです。どちらも拳大で、かなり精巧に作られていますから、模型として眺めて楽しむこともできます。が、やはり息を吹きかけて遊んでみましょう。お城の方は柔らかく複雑な和音が鳴りますし、学校の方はより変な形に変形します。こうやって変形させて、パッケージの絵の通りの形に戻すおもちゃです。弱い鼻息でも動き始めるので、遊ぶ時はマスクをつけた方がいいかもしれません。
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