第12話
ベイサイドにある巨大スタジアムでは、数十万人の観衆がペンライトを振りながら、スターの登場を待ち構えていた。
「みんな、昨日はお疲れ様。今日はライブツアー最終日、全力で演奏してね」
「はい!」
モカマネージャーから激励があると、メンバー全員は元気良く返事をした。
「リコ……腕の調子はどう?」
「大丈夫です、緊急修理で問題なく可動します」
リコは左腕を上下に動かしてみせた。
「今夜はウーミ女王も観覧にお越しだから、最高のステージを見せてちょうだい」
テレビモニターの中継画面には手を振る女王の姿があった。
「ウミリア王国の王にして世界最高峰の科学者。大事に至らなくてよかった」ユヅが呟いた。
「女王陛下はなぜ私達孤児を受け入れてくれたのかしら?」トコがモカに問いかける。
「そうねえ、彼女は自らが発明したハイパーインダストリーが戦争に利用されてしまったことを
モカが女王の心中を探るように代弁した。
「戦争が起きたのは彼女の責任じゃない、それを止めることができなかった一人一人の意識の問題」ハナビは悔しそうに拳を握った。
「だから悪だくみする奴らは私達が懲らしめてやらないとね!」ポポが元気よく握り拳を前に出した。
「そう、ここは私達の愛する故郷。この国の平和を乱すことは許さない……私が絶対守ってみせる」
リコはテレビに映る女王の笑顔を見つめながら、決意を新たにした。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます