なんやかんやで!

宇部 松清

前書き

 南城なんじょう矢萩やはぎ神田かんだ夜宵やよいは幼馴染みである。同じ高校に通う二年生で、これはまぁ余談だが、男子校だ。


 細かい経緯というか、心情なんかは一旦割愛させていただくが、この二人、実は両片想い中である。二人は男子校に通う二年生であるからして、当然男同士だ。実は特殊な家庭の事情により男の振りをして男子校に――などということはない。もう完全に男だ。男丸出しである。いや、丸出しではない。出してはいない。安心してください、履いてますよ。


 つまりは、BのL、ボーイズのラブなのである。


 これは、そんな両片想いの幼馴染み同士が、とにかくなんやかんやあって美味しいシチュエーションに持ち込まれるものの、互いに「まさか自分のことを好きなはずがない」「あいつは普通に女の子が好きなんだろうな」「いまの関係を壊したくない」「あいつが幸せならそれで」などと考えて最終的には日和ってしまい、チャンスをものに出来ないもだもだぶりを温かい目で見守ることを目的とした短編である。


 もういい加減付き合え。

 ここに教会を建てろ。

 神父が来い。


 などなど、思っていただければ幸いです。

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