書ききれなかった絵本たち
このシリーズを書いていると思い出の本が後から後から出てきて、あれも書いてない、これも書いてない、という絵本が沢山あるので今回はそちらを紹介してみたいと思います。
まず最初は『しろいあしあと』(安房直子作 小学館創作童話シリーズ)。
女の子が店番をしていると女の人にへんそうしたねずみがおしろいを買いに来るのですが、帰り道に転んで白粉をこぼしてしまいます。白粉を踏んでしまった小さな白い足跡に気づいた女の子はその足跡をたどっていくと……、というお話。あらすじを全部書くと長くなるので今回はさわりだけ書いていきますね。
絶版になってしまっている絵本ですが、絵がとっても可愛らしくて綺麗なので図書館などで見かけたらぜひ読んでみてほしい一冊です。ねずみのお家に入る時に女の子が小さくなるのもアリスっぽくて素敵なんです。ねずみのお母さんにもらった大きなケーキが、帰ると手のひらサイズになるのもまたかわいいんですよね。なんともほっこりするお話です。
続いては『みにくいおひめさま』(フィリス・マッギンリー作 瑞雲社)。
ある王国のひとりっ子の王女、エスメラルダは贅沢なお姫様の暮しをしています。優しい両親に愛され、たくさんのドレスやおもちゃ、かわいい仔馬に銀の籠の付いた素敵な自転車。何もかも持っているようなエスメラルダでしたが、たった1つ足りないものがありました。彼女は美しくなかったのです。
ある日1人の女性が王女を美しくして見せると名乗りをあげるのですが……。
こちらは中川宗弥さんの大胆な色使いとタッチの絵が素敵な絵本です。こちらは復刊されているので今でも手に入ります!
どうやってエスメラルダを綺麗にするのか?というのがお話のキモなのですが、魔法や秘薬なんてものは登場しません。エスメラルダが女性の家族と過ごすうちに成長していき美しさを手に入れるというお話です。ですが説教くさいところは1つもなく、エスメラルダと一緒に美しくなっていく喜びを感じながら読んでいけます。本当に素敵なお話なので、女の子のお子さんがいらっしゃる方には激推しした1冊です。
お姫さまものが続きますが、次は『ソリマンのおひめさま』(カレル・チャペック作 こどものための世界名作童話集 集英社)。『園芸家の1年』で有名なチェコの作家、カレル・チャペックの童話集、『長い長いお医者さんの話』の中の1編を絵本にした作品です。こちらも残念ながら絶版。エキゾチックな挿絵がとっても素敵だったんですが……。
ただお話自体は岩波少年文庫の『長い長いお医者さんの話』に収録されているので読むことができます。
ソリマン国のスルタンの娘、ズベイダ王女が原因不明の病にかかります。日に日に弱って青白くなり、気持ちも塞いでしまった娘を心配いしたスルタンは、旅の商人に勧められ娘をヨーロッパの医者(ドクトル)に見せるために家臣をヨーロッパに派遣するのですが、ちょっとした聞き間違いで家臣たちは木こりを連れて帰ってしまうのです。王女を治せと言われても木こりにはどうすることもできません。スルタンは怒ってしまい王女を治すまではここから帰さん!とお城に軟禁してしまいます。できることのない木こりは暇を持て余してお城の周りの木を切り始めるのですが……、というなかなかトンデモなお話。
何だそれなお話になりそうなところですが、うまいこと収まって大団円という素敵なお話なんです。
ちなみにこの本は歯医者さんに行った帰りに母がご褒美に買ってくれた1冊で、「私用に買ってくれた本!」という思い入れ込みで思い出の1冊です。
ちなみに木こりが食べてるお昼ごはんの黒パンとチーズがめちゃくちゃ美味しそうです。
最後に国語の教科書で出会ったがまくんとかえるくんシリーズ、『ふたりはともだち』(アーノルド・ローベル作 文化出版局)。
これはあらすじを書くまでもないぐらい有名ですよね。2人の惚けたやりとりがかわいくて大好きなシリーズです。挿絵もいいですよね!
私の通っていた小学校では教科書の朗読テープを聞かせてくれることがあったんですが、そのテープではお手紙を託されたかたつむりのセリフ、「まかせてくれよ」、が「まー⤴️かぁ⤴️せぇ⤴️てぇ⤵️くぅ⤴️れぇ⤴️よぉ⤵️」(伝わるかな?💦)という歌舞伎のような独特の節回しで読まれていてクラスで流行ったのを覚えています。
あの朗読はどなたが読まれていたんだろう。光村図書の副教材のテープは、作品は忘れましたが橋爪功さんの朗読や、宮沢賢治の『やまなし』を岸田今日子さんだったりと豪華でした!
ちなみに大人になってからたまたま入った雑貨屋さんでがまくんとかえるくんぬいぐるみに出会ったのですが、2人揃って連れて帰るにはなかなかのお値段でしたので断念しました。
またもや長くなってしまいました。
でも多分また思い出して書くと思います💦
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