12-6

 3日の日は、昼前にななのがやってきた。僕が、トンカツを食べたいと言っていたので、厚めのロース肉を買ってくるので、少し遅くなるからと・・。


「社長に言ってね 厚めに切ってもらってきたの 油 もったいないから、カツレツみたいなものね あと、夜用には肉じゃが作っとくね」


「うん 頼む」


「明日は お母さんも休みだから 来れないんだぁー」


「そう 僕は、明日は 初出勤なんだよ」


「あっ そうかー じゃぁ 朝 お弁当だけ持ってくるネ」


「そんなー いいよ ゆっくり寝ればいいじゃぁないか」


「いいの! 冬休みの間しか 持ってこれないんだものー 明日は、お母さんとお買い物に行くから 楽しみにしてるんだぁー」


「そうなんだー それは、いいね  仲良くって」


「私ね お母さんに頼んで、バイトは土日だけにしてもらったの 私もバイトするからって、休んでって だって 昼間は他の会社で働いてるやんかー それで、夜もって・・身体壊すやんかー 小さい頃は お母さんを軽蔑してた あんないやらしい男に身体をもてあそばせて、ベタベタしてさー だけど、私を育てるために 自分を犠牲にしてたんやねー だから、今は、少し 楽して欲しいんやー」


「うん まぁな でも ななのだって身体 大切にな 僕のご飯作ったり 無理するなよ」


「私は 若いんだものー 大丈夫 それに、シュウの為だったら、楽しいよ こんなことしか出来ること無いもん 神様がね せっかく、あの時、シュウに引き会わせてくれたんだものー」


「そんな 大げさな・・ でも ななのが幸せそうなので 良かった」


「シュウが幸せにしてくれたんよ」


「それは・・ ななのが自分から幸せを掴んでいったんだよ 僕が、ななのを幸せにするのは もっと 後だ」


「シュウ ごめんね 私・・・ 私のすべてを愛してもらわなきゃぁなんないのにネ」


「ななの 前も言ったけど 君はまだ 高校生だし、勉強第一だよ そんな風に考えるのは・・やめた方がいいよ 気にするなって! 僕は、君が笑顔見せてくれるだけで 満足だよ それに ななのは僕にとって 大切な女性だよ」


「わかった でも キスして欲しい時もあるんだからネ もう16歳なのよ えへぇー シュウのこと 好き!」


 僕とななのの間はそんな関係のまま、春を迎えて、ななのは2年生になろうとしていた。   

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