6-8 ななの13歳

 12月になって、ななのちゃんが


「シュウ 冬休みになったら、又、ウチに来てーなぁー 私のお誕生日とクリスマス」


「えぇー ななの 12月生まれやったんかー」


「ウン 12月23日 13歳」


「そうかー それは お祝いしないとな」


「シュウは いつ 誕生日?」


「あぁ 3月7日」


「ふーん じゃぁ そん時 また お祝いだネ」


「いいよー これっくらいの歳になると、そんなにめでたくもないから」


 そして、クリスマスも過ぎて居たけど、お母さんの休みだという日にななのちゃんの家に行った。僕も、定休以外の日の休みを取っていたので、お昼過ぎに伺っていた。


「ななのちゃん これっ 誕生日祝い」と、部屋に入って直ぐに渡したら


「わぁー ありがとう シュウ・・さん」と、ななのちゃんも慌てていた。


「開けて いい?」


「ウン 何がいいのか 迷ったけど」

 

 僕は、ピンクのキラキラしたラインが入ったスニーカーを選んでいたのだ。ななのちゃんは開けると直ぐに、僕にお礼を言ってお母さんに見せに行って、履いて見せていた。


「大きさ どうかなー 合わなかったら、代えてくれるって言ってたけど 少し、大き目にした」


「ウン 大丈夫 中敷で調整する ありがとうネ これ 可愛い」


 その日は、僕の為に焼肉を用意してくれていたけど、逆に散財させてしまってと僕は、恐縮しながら食べていた。


「北番さん 遠慮しないで食べて飲んでネ」と、お母さんは僕にビールを継いできてくれていた。


「あのね ななの 通信簿 音楽を除いてオール5だったの 1学期もそうだったんだけど、たまたまなんだと思っていたら、今度もでしょ びっくりしちゃった 北番さんにも教えてもらってるから この子 頑張ってるんよネ」


「そーなんですか ななのちゃん すごいネ サッカーも頑張ってるし」


「うふふっ だからー 私 いつも必死なんやって ゆうてるヤン」


 そして、帰る時、ななのちゃんが表まで見送ってくれて


「なぁ お正月 実家 帰るんやろー 私もー」


「えぇー お母さんは?」


「うん 仕事やと思う 勉強のご褒美にって ゆうたら 許してくれるとおもうネン」


「まぁ ウチは歓迎すると思うけど・・ お母さんの許しがないとな それにお母さんだって寂しがるだろー いくら 仕事といってもー」


「ウン 元旦の朝 お祝いしてから、今度は一人で行くよ 木之本まで もう、子供やないねんから・・それっくらい 平気 たぶん」

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